「社葬の生中継、始めました!」――プロモーションに使う手も:目的別に使いこなす「遠隔会議システム」、導入と活用ポイント(2/2 ページ)
Web会議システムを使い、社葬の生中継サービスを始めた日比谷花壇。ところが目下、この新サービスで利益を上げようという考えはないという。いったいどういうことなんだ? 担当者に話を聞いた。
「面倒な準備不要、すぐ中継できるシステム」が採用条件
日比谷花壇では、このサービスにWeb会議システムを採用した。採用した理由は、葬式が時間との勝負だからだ。「10営業日以内に迅速に準備できることが条件」(吉村さん)だったと話す。
専用端末が必要なテレビ会議システムと違い、Web会議システムなら、最低限、既存PCとネット環境さえあれば、中継先は国内外どこでもかまわない。もし大人数で中継を見る場合は、プロジェクターやスクリーンなどを用意すればいい。
また、独自のアプリケーションの開発も検討したが、調べるうち、既存のWeb会議システムで十分対応できることが分かった。同社ではWeb会議システム自体は他社の既存のシステムを、使用料を払って使っていく予定だという。
「こんなサービスもしてます!」――あくまで販促ツール
配信先は基本料金(63万円)で25カ所まで。26カ所以上の場合は、追加料金が必要だ。葬儀会場は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県が可能だ。「今後は近畿や東北など、中継できる範囲を拡大していきたい」と、吉村さん。また、個人葬向けにも生中継サービスを開始したいという。
社葬インターネットライブ中継サービスの基本料金は63万円だ。収益が出る料金設定ではないという。「あくまでこんなサービスもしています」(吉村さん)というアピールポイントなのだ。しかも日比谷花壇では社内の会議に遠隔会議システムは使っておらず、特にニーズがないため今後も導入する予定もないという。
既存のPCとネット環境さえあれば、社葬ですら全国に配信できるWeb会議システム。この活用法もコスト削減につながる――かもしれない。
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