遅延ストレスを減らし、快適に会話する:目的別に使いこなす「遠隔会議システム」、導入と活用ポイント(2/2 ページ)
人間は遅延が0.5秒を越えるとストレスを感じる。「なんとなく会話しにくい」のはこのためだという。遅延ストレスなく会話できることも、会議システムを使う上で重要なのだ。
Web会議システムでも遅延軽減、携帯電話やテレビ会議からの参加も
ソフトウエアを開発するブイキューブでは、自社開発したWeb会議システム「nice to meet you」(初期費用4万7250円、月額使用料1万395円〜)で遅延を解決したという。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X(10.3)以上。
インターネット回線を介してブラウザを利用するWeb会議システムは、専用端末や専用回線を使うテレビ会議システムに比べ、インターネット回線やPC環境に大きく左右される。だがnice to meet youは、ブイキューブが推奨するPC環境で使用すれば「0.2秒程度の遅延で、体感では電話の通話と変わらない会話が可能だ」(ブイキューブ)。
nice to meet youの開発には、彼ら自身が米国とWeb会議を行う必要があった2004年当時、快適に使えそうなシステムがなかったという背景がある。「自分たちが快適に使えるシステムを作った」(ブイキューブ)結果、遅延ストレスの軽減にも取り組んだというわけだ。
また、nice to meet youではH.323規格を採用しているため、テレビ会議システムからも参加できる。携帯電話からも参加できるようにした。これらは快適さを追求した結果である。特にテレビ会議システムとの互換性では、すでにテレビ会議システムを導入済みの企業が、新たな拠点でnice to meet youを使う活用法が多いという。
さらに、「ecoメーター」という機能も付けた。例えば遠隔地から会議に参加した場合、会議の開催地までの交通手段を使わなかったことになる。交通費をどれだけ削減できたか。交通手段を使わなかったことでCO2をどれだけ排出せずに済んだか。これらを、金額と杉の木が吸収するCO2の何本分に当たるかのイラストで表示するようにした機能だ。「楽しくコスト削減をしながら、遠隔会議を行う」(ブイキューブ)ためだという。
進化しつづける会議システム。コスト面だけでなく、エラー耐性や遅延問題などのストレスを軽減しているか。必要な互換性はあるか。操作性はいいか。楽しく使えるか。そんな「快適さ」の観点からも、採用判断する必要がありそうだ。
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