iPadで自炊データを快適に読むためのテクニック(読書ビュワーアプリ編):電子書籍「自炊」完全マニュアル(2/3 ページ)
本を裁断してスキャナで取り込んでデジタルデータ化する、いわゆる「自炊」。今回はデバイス別のTips紹介第2弾として、iPadの読書ビュワーアプリ編をお届けする。
まずは読書ビュワーアプリを選ぶ
もともと読書端末として設計されているKindleと異なり、汎用機であるiPadで読書をする場合は、まずは読書ビュワーアプリを選ぶところから始めなくてはいけない。iPadで単純にPDFを表示するだけであれば、それこそ星の数ほどアプリが存在しており、その中で読書用と銘打たれた著名なビュワーだけでも数種類はある。その中から自分にあったビュワーを探すのが第一歩というわけだ。どれを選ぶかによって、読書端末としてのiPadの使い勝手はまったく変わってくるので、じっくりと選びたいところ。
この記事を執筆している2010年8月時点での、iPadの読書アプリの著名どころをざっと挙げてみよう(リンク先はiTunes)。
有料アプリでは、
- 青空文庫ビュワーとしても名高い「i文庫HD」(800円)
- ファイルマネージャーの性格が強い「GoodReader」(115円)
無料アプリでは、
- PDFにも対応するようになったApple純正の「iBooks」
- 大容量のファイルを扱う際も挙動が安定している「CloudReaders」
- シンプルで使い勝手のよい「Bookman」
- EPUBの表示もサポートした「Stanza」
――などだ。
筆者個人としては、自炊データを快適に閲覧するためのビュワーとしては「i文庫HD」が頭一つ抜けていると感じている。理由は3つ。PDFとZIP圧縮のJPGの両方が扱えること、見開き表示で左開きと右開きを選択可能なこと、そしてページめくりがタップとスワイプの両方に対応していることだ。
なかでも、ページめくりがタップとスワイプの両方に対応していることは大きい。ページのめくれる動きを模したアニメーション効果は、他人に見せびらかしたくなる出来映えではあるものの、実際に本を読むうちに、画面を指でなぞる操作は意外と億劫になってくるものだ。こうした場合にタップによるページめくりに対応していれば、最小限の動きでページめくりの操作が行える。
ではタップのみ対応でスワイプに非対応だとどうかというと、これはこれで操作がわずらわしい。たいていのタップ操作では、ページの左端と右端にそれぞれページをめくる/戻るの動きが割り当てられているので、片手だけでめくる/戻るの両方の操作が行えないのだ。
その点スワイプであれば、片手でiPadを保持している状態でも、指を左→右にすべらせればページを順送り、右→左にすべらせれば逆送りが可能だ(右綴じの本の場合。左綴じだと向きは逆になる)。従ってタップとスワイプに両対応していれば、状況に応じてどちらの手でもページめくり/戻りの操作を、なるべくシンプルに行えるというわけだ。そしてこれらのユーザビリティをきちんと考慮しているのが、i文庫HDというわけである。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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といったわけで、筆者個人としては「i文庫HD」がイチ押しなのだが、できれば無料アプリで済ませたいという方も多いことだろう。そのため本稿では特定の読書ビュワーアプリを前提にするのではなく、各々の特徴も紹介しつつiPadで自炊データを読む際のコツを紹介していくことにする。
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