アドビ、「Creative Suite 6」日本語版を発表:Creative Cloudの予約もスタート
アドビシステムズは「CS6」の日本語版を発表した。ユーザーの意見を参考にした新機能を多数追加し、HTML5/CSS3など新規格への対応も強化した。また、CS6のすべてのアプリケーションが利用できるクラウドサービス「Creative Cloud」の予約受付も開始する。
2年ぶりのメジャーアップデート
アドビシステムズは4月23日、統合デザインスイート「Adobe Creative Suite 6」日本語版(以下、CS6)を発表した。同社直販のアドビストアでは予約受付中、販売開始は2011年5月11日の予定だ。過去4バージョン(CS3/CS4/CS5/CS5.5)のユーザーを対象としたアップグレード版やアカデミック版、単体ソフトの特別提供版も発売する。
CS6を構成する単体ソフトは計14製品で、収録するソフトの違いによる4種類のエディションを用意する。ラインアップは、全機能をそろえた「Master Collection」、グラフィックスデザイナー向けの「Design Standard」、映像制作向けの「Production Premium」、Webデザイン向けの「Design & Web Premium」となる。それぞれの価格と構成は以下の通りだ。
Creative Suite CS6の製品構成(表中の価格はアドビストア価格、税込み) | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | Master Collection | Production Premium | Design & Web Premium | Design Standard | 単体ソフトの価格 |
CS6の価格 | 33万4950円 | 24万9900円 | 24万9900円 | 16万6950円 | ― |
CS5からのアップグレード価格 | 13万5450円 | 9万8700円 | 9万8700円 | 7万350円 | ― |
Acrobat X Pro | ○ | ― | ○ | ○ | 5万7540円 |
Photoshop CS6 Extended | ○ | ○ | ○ | ― | 13万1250円 |
Photoshop CS6 | ― | ― | ― | ○ | 9万2400円 |
Premiere Pro CS6(Encore) | ○ | ○ | ― | ― | 9万8175円 |
InDesign CS6 | ○ | ― | ○ | ○ | 9万3240円 |
Illustrator CS6 | ○ | ○ | ○ | ○ | 7万8750円 |
Dreamweaver CS6 | ○ | ― | ○ | ― | 4万9875円 |
Fireworks CS6 | ○ | ― | ○ | ― | 3万9900円 |
Flash Professional CS6 | ○ | ○ | ○ | ― | 8万8200円 |
Audition CS6 | ○ | ○ | ― | ― | 4万950円 |
Prelude CS6 | ○ | ○ | ― | ― | 4万9875円 |
SpeedGrade CS6 | ○ | ○ | ― | ― | 13万1250円 |
After Effects CS6 | ○ | ○ | ― | ― | 13万1250円 |
Bridge CS6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ― |
※CS3とCS4のユーザーがアップグレード価格でCS6を入手できるのは2012年12月31日まで
また、アドビ製のソフトウェアを月額5000円で(個人版、年間契約の場合)利用できるクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」の予約受付を開始した。アドビストアでは2012年5月11日から、全国の家電量販店では2012年6月に発売する。
Creative Cloudでは、以上の14製品に加え、Webサイト作成ツール「Muse」(英語版)やHTML5、CSS3、JavaScriptを利用したWebコンテンツの作成ツール「Edge preview」などを利用できる。
ユーザーの意見を基にした新機能を追加、新規格への対応も進む
今回のアップデートでは、ユーザーの意見を参考にした新機能が多い。「Photoshop CS6」はUIを一新し、映像編集もサポート(CS5ではExtended版のみ)したほか、ぼかしや照明効果などのフィルタを追加し、切り抜きツールや色調補正機能、3D機能を強化した。また、「コンテンツに応じる」オプションを追加し、1つの画像から特定の部分を移動して欠損したピクセルを補完し、コンテンツの移動先のピクセルを修正する「コンテンツに応じた移動」機能に対応した。
HTML5やFlashの新規格への対応も行われた。「Flash Professional CS6」はHTML5への対応を強化、HTML5用アセットの書き出し機能や、スプライトシートの作成が可能になった。「Flash Player 11.2」および「Adobe AIR 3.2」もサポートし、AIRランタイムをアプリに同梱(どうこん)して配布できたり、AIRのネイティブAPIとの連携にも対応している。このほか「Dreamweaver CS6」はHTML5とCSS3を、「InDesign CS6」は電子書籍リーダーの新規格“EPUB3”をサポートした。
64ビット版Windowsへのネイティブサポートも進み、「Photoshop」「Premiere Pro」「After Effects」に加えて「Illustrator」も64ビットネイティブ対応となった。
Windows版の対応OSは、Windows XP(SP3)/7(SP1)。ただし、Premiere Pro、After Effects、Encoreは64ビット版のWindows 7(SP1)が必要となる。Mac OSはMac OS X v10.6.8またはv10.7に対応する。
CS6の各エディションや単体ソフトを予約すると、先着3000人に500円分のクオカードなどがプレゼントされるキャンペーンも実施する。キャンペーン期間は2012年4月23日から2012年5月31日まで。対象商品やキャンペーンの詳細はこちらを参照のこと。
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Adobe Systems(アドビシステムズ) | Adobe Creative Cloud | HTML5 | Creative Suite | Photoshop | CSS3 | Adobe AIR(Apollo)
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