達人に聞いた――どう違う? 日本と海外の名刺事情:仕事をしたら“世界の名刺”が見えてきた(前編)(4/6 ページ)
頭をペコペコ下げて「どーも、どーも」と言いながら、名刺交換をする。日本では当たり前のシーンだが、外国ではどのように名刺を使っているのだろうか。そんな疑問を感じたので、“達人”に世界の名刺事情をうかがった。
日本の名刺文化に近い国
土肥:これは勝手な思い込みかもしれませんが、日本の名刺文化って独特だと思うんですよ。外国映画でも日本のサラリーマンが名刺交換をするシーンってよくありますよね。深々とお辞儀して、「どーも、どーも」と言いながら。このような日本の名刺文化に近い国ってありますか?
富岡:韓国ですね。基本的に、日本と同じように交換しています。韓国では名刺を見て「この人は人事部にいるので、出世コースを歩んでいるな」とか「この人はこういう立場で仕事をしているのか」といったことを気にする人が多いと聞いています。これって、日本とよく似ていますよね。日本でも名刺を見て「お、この人は企画部の部長か。ということは、次は取締役かな」と推測する人がいますよね。
土肥:います、います。もうたくさん。
富岡:あと韓国では学歴を重視する傾向があります。なので「この人は2000年に○○大学を卒業して、○△会社に就職した。ということは出世するのは2年後かな」といったことを気にされる人が多い。
土肥:名刺の裏に、学歴が書かれているとか?
富岡:さ、さすがにそのような名刺は見たことがありませんが、韓国企業で働くある人はこう言っていました。「名刺をWeb上で管理するときに、学歴も書き込めたらいいのになあ」と。
土肥:ほー。さすがですねえ。韓国では大学受験が過熱しているとか、学閥があるとかって聞いたことがありますが、名刺を管理するときに「学歴も」といった発想には驚きです。
富岡:日本でも大企業や金融系で働く人たちは、そうした情報を気にされるケースがありますね。
土肥:私の知り合いの銀行員も、そうした情報はものすごく気にしていました。もう合併なんかすると大変らしい。「あいつはA銀行出身だ」「あいつはB銀行出身だ」といった感じで。しかもそんな話をするのは、合併後2〜3年くらいだと思っていたら、違う。ずーっとそんな話をするそうです。ある人が定年を迎えたときにも「あいつはC銀行の出身だったよなあ」と言って送り出したらしい(笑)。
富岡:ハハハ。
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