「最近の若い人は……」と思ったら――世代間ギャップを埋める方法:ボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/5 ページ)
「最近の若い人は何を考えているのかよく分からない」と感じている人も多いのでは。一方、若い世代にとっては、上の世代の言動が理解できなこともしばしばあるはずだ。そんな世代間のギャップをどのように埋めればいいのか。
中間の世代から見える景色
私たちが社会人になって働く年齢の幅を20歳から60歳と考えたとき、私のような40代前半は、ちょうどその中間世代に当たります。
中間の世代から見えるのは、上の世代と下の世代とで価値観や周囲との関わり方が、真っ二つに分かれていることです。人は皆違うので一般化するのは危険かもしれませんが、ざっくりとした全体感として、先ほどのAさんが言っていたように上の世代は「ゴリゴリ系」が多い(いい意味では「忍耐力がある」)のに対し、下の世代は「忍耐力がない」(いい意味では「柔軟性がある」)感じです。
その結果、上の世代の人は、若い世代の人のことを「頼りない」「弱い」と感じ、若い世代の人は、上の世代の人を「威圧的」「無理やり感」を抱くのでしょう。あまり強く言われるのは嫌なので、他の世代と関わろうとしなかったり、多少の不満はあっても、やんや言われるのが面倒なので言葉にすること自体をあきらめているように感じます。
そして、お互いの世代が、「最近の若い人は」「上の人はゴリゴリ押し付けてきて嫌だ」と言い、お互いがお互いを受け入れられない……そんな印象があります。
育った背景が違えば、価値観も違う
どちらがいい、悪いというよりも、世代が違えば育ってきた環境が違うので、世代間のコミュニケーションギャップが生まれるのも当然だなと思います。
40代以上の人は右肩上がりの高度経済成長期、バブル期を経験しています。トレンディドラマのような生活はドラマの中だけだと頭の中では分かっていても、なんとなく自分もそうなれるような「がんばれば未来は明るい」という期待感がどこかしらにありました。だから、仕事で多少嫌なことがあってもがんばることができました。
一方、40代以下の人はバブルが崩壊してしまったので、「ずっと同じ会社で働く」ことが当たり前ではなくなっていきました。一生懸命会社のために働いてきたお父さんが、リストラで突然会社を辞めざるを得なくなる理不尽さも知っています。そう、「未来に期待を持てなくなってきた」のです。
その半面、40代以上の人は、上の世代からかなりゴリゴリやられて育ってきました。年功序列もきつく、「〜ねばならない」「〜すべきだ」「昔からこうだ」などのような言葉で厳しく育てられてきました。
一方、40代以下の人は「仕事は一生同じ会社でなくてもいい」「自分の人生は自分で作ってもいいんだ」というような、いろんな選択肢を手に入れることができるようになりました。40代以上の人がなかなか得られなかった情報も、今ではインターネットを通じて自由に手に入れることができます。
このように各世代には「その世代のよさ」がある一方で、「その世代が抱える悲しさ」もあるのです。この「悲しさ」がコミュニケーションギャップを生んでいるように思います。
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