JR東日本が約7000台のiPad miniを導入――全乗務員が対象
東日本旅客鉄道は、運転士、車掌など全乗務員を対象にiPad miniを導入する。2013年度中に約7000台を導入し、輸送および顧客サービスの質向上を目指す。
東日本旅客鉄道は5月13日、全乗務員(運転士、車掌)に「iPad mini」を導入すると発表した。導入数は約7000台で、2013年度中に首都圏から順次導入していく。
同社ではこれまで、首都圏の主要駅や地方の乗換拠点駅などにタブレット端末85台を利用し、試行を実施、良好な結果を得てきたという。今回はその取り組みをさらに拡大したもの。全乗務員がiPad miniを持つことで、(1)輸送障害時の迅速な対応、(2)案内などのサービス向上、(3)マニュアル類の電子化などを図る。
活用例1:輸送障害発生時の連絡を迅速化
輸送障害発生時などで乗務員が通常とは別の列車を担当することになった場合、現状はFAXでやりとりを行っている。しかし届いた紙面を手渡しする作業の煩雑さや、各乗務員の場所を確認する困難、FAXの設置場所に制約があるなどの課題があった。iPad miniを導入することで、各乗務員に直接、列車のダイヤなど運転に必要なデータを送信でき、場所に依存せず連絡の回数を減られるなどの効果が期待できる。
活用例2:顧客サービスの向上
現在は音声のみで得ている運行状況などの情報を、iPad miniを導入することでWebサイトから迅速に入手できる。情報源を素早くビジュアル化した状態で入手することで、車内外での案内、サービスの品質向上を目指す。
活用例3:マニュアル類の電子化
多くのマニュアル類を電子化して携帯、閲覧する機会を増やすことで、輸送障害時における対応能力向上や知識、技能の維持向上に役立てる。例えば現状は2キロ以上の携行書類を使って案内しているところを、iPad miniに置き換えることで大幅な重量削減になる。また書類を電子化する効果として、情報の更新や管理作業が容易化できる。
今後は、さらに輸送障害発生時やサービス向上に活用可能なコンテンツ、アプリケーションを追加していく方針としている。
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