フリーランスで失敗するのはどんな人?:フリーランスを目指す前に(2/2 ページ)
フリーランスを目指す人は、いくらPCがあれば始められる仕事だといっても、事前に知っておくべきこと、準備しておくべきことはある。後になって失敗しないために、自分のワークスタイルにおいて何が必要なのかをよく確認しておこう。
これだけは知っておこう、ノマドワークの注意点
しかしこうした場所で仕事をするには、注意しなければいけないことがある。
まずカフェやファミレスなどのスポットが混雑して、席に座れない場合。空くまで待つのか、それとも移動して場所を変えるのか。いずれにしても、せっかく仕事をしようと思ったのに時間を無駄にしてしまう。もし何か急ぎの作業があれば、これは大問題になるだろう。まして近場で他に仕事ができる環境をあまり知らなければ、場所を探すだけで相当な時間がかかってしまう。
また公衆無線LANは、そのスポットにアクセスできる人たちみんなが使用している。そのためアクセスが多いと、インターネットの通信が遅い。容量の大きなファイルのアップロード/ダウンロードなどでは、ストレスになるかもしれない。さらにネットワークのセキュリティ性も不安が残るので、しっかり対策をしておかないと何があるか分からない。
セキュリティといえば、よくカフェのテーブルにPCを置きっぱなしでトイレに行く人を見かける。大切な仕事の情報が詰まったPCを、これでは無防備過ぎるだろう。持って歩くなり、何かしら対策は必要だ。
またいくらカフェなどで仕事をしたところで、さまざまな管理においては具体的な「場所」が必要になることも覚えておかなければいけない。
例えば仕事をする上で発生する契約書面などは、電子データではなく紙でやりとりされるケースが多い。スキャニングしてデータ化し、外からでも確認できるような対応はできるが、原本を破棄するようなことは決してやってはいけない。
とはいえ、こうした書類は機密情報(あるいは個人情報)を多く含むものとなる。そのため、自宅の本棚に入れておくようなことも危険といえるだろう。しっかりファイリングして、できれば鍵の付いたロッカーなどで保管したいところ。ノマドで働くためにも、こうした基本管理の徹底は大切なのだ。
このように、いくらPC1台持ってすぐに仕事を始められるといっても、事前に知っておくべきこと、準備しておくべきことはある。後になって失敗しないために、自分のワークスタイルにおいて何が必要なのかをよく確認しておいてもらいたい。仕事をする場所は業務効率にも大きく関わってくるので、自分のスタイルに合った場所を探そう。最近ではコワーキングスペースやレンタルオフィスなども増えているので、場合によってはそういう場所も活用しておきたい。
著者紹介:三河賢文(みかわ・まさふみ)
1983年岩手県生まれ、宮城県育ち。人材コンサルティング会社、Web関連会社での勤務を経て、2010年6月にナレッジ・リンクスとして独立。「時間の自由」を第一としたワークスタイルを実践中。多くのSOHOやフリーランスワーカーとパートナー関係を持ち、業務機会の提供を行っている。プライベートでは2人の子どもを持ち、マラソンやトライアスロンにも挑戦。ITやビジネス全般を中心とした執筆活動も行う。
- Twitter:Masafumi_m
- ブログ:葛飾から自由を届ける!起業家の挑戦記
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