相手の自尊心をくすぐって好意を寄せてもらう:世界で通用する人がいつもやっていること(2/3 ページ)
人間は理解されたいと思うもの。話を聞いてくれる人には自然と好意を寄せるようになります。世界で通用する人は相手の話をよく聞き、長所を見つけることが上手です。そして心を込めて褒めてあげることで、周りにいる人たちを虜にしているのです。
相手の話をよく聞くことから始めよう
人間は理解されたいと思うもの。また、自分を深く理解してくれる人に対しては感謝の気持ちを抱き、その心を示したいと思うものです。
科学的にいうと、人間は「給料が上がる」「宝くじが当たる」などの「金銭的報酬」と同様に、「あの人はすごい!」と誰かに認められるといった「社会的報酬」を求める生き物です。脳には報酬系と呼ばれる部位があり、ある刺激によって報酬系の活動が高まると大きな快感を覚えるということが分かっています。
また、報酬系は女性よりも男性のほうがずっと活発な活動をしています。つまり、一般的に男性のほうが女性よりも出世欲が高い傾向にあったり縄張り意識があるというのは、この社会的報酬を求める衝動、自尊心を満たそうとする傾向がより強いということにほかなりません。
では相手の自尊心を満たしていくにはどうすれば良いのでしょうか。Aさんはまず、相手の話をよく聞くことを心がけていました。ここで重要なポイントは「この人は自分のことをよく理解しようとしてくれている」という信頼感を持ってもらうことです。話を聞く力をつけることが、相手の心をつかむ第一歩になるでしょう。
表面的な部分を適当に褒めるのはNG
しかし、ここで失敗すると相手はがっかりしてしまうのと同時に、あなたに対して味方になるどころかマイナスの感情を抱きます。「自分の話を聞いてくれないのは、自分が『大したことない人』だと思われているからだ。こんな人の言うことなんか、聞いてやる義理はない」と。
なんと言っても難しいのは、相手の話を聞いて、それに沿った形で相手が満足するようにその人を褒めることです。
例えば、東大生が「頭がいいんですね」と褒められたとします。でもその東大生は、あまり褒められた感じがしないでしょう。
小さい頃からそんなことは言われ慣れているし「自分は試験勉強が得意なだけで、そんなに頭がいいわけではない」と考えている人も少なくないからです。また、頭のいい人がたくさんいる環境にいる機会が多かったでしょうから、そこでもし、自分より頭のいい人を見慣れていたら「そんな人と比べれば自分の頭の良さはそれほどじゃない」と感じる可能性もあります。「自分は本当の意味で頭がいいとは言えない……。でも、そんなことを言ったら『嫌味』だと思われやしないだろうか」とまで考えてしまうことも。それに、成績が良いことで逆にいじめられた経験がある人もいるかもしれません。
「この人は上っ面のことばかり言っていて、自分のことを理解してくれていないんだ」と、悲しい気持ちになってしまう東大生もいるでしょう。
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