食べ物で脳をチューンアップする:世界で通用する人がいつもやっていること(1/2 ページ)
毎日の食事をきちんと取っている人は多いと思いますが、では、脳にいい食材、良くない食材を知っていますか? 脳の完成度は食べ物に確実に影響されます。世界で通用する人は、いつでも自分の実力を最大限発揮できるように食事にも気をつかっているのです。
集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について
本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。
世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。
著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。
著者プロフィール:
中野信子(なかの・のぶこ)
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。
現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。
学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする
魚を食べることでうつ病になりにくくなる
今回は趣向を変えて、食べ物や栄養素と脳の関係について、触れてみましょう。
脳に良い食材について、巷でいろいろなことが言われています。この問題についての研究も少なくありません。でも、すべての言説を信じるなら、だいたい全部の食品を網羅して、まんべんなく食べていればいいのかという結論になり、カロリーの摂りすぎにもなりかねません。一体どれが本当のことで、どれがまゆつばなのでしょう? 判断に迷ってしまうこともあると思います。
ビタミンやミネラル、脂質に糖質、たんぱく質など、ヒトは多くの栄養を必要とします。この中で、脳機能を向上させる効果があると多くの人が指摘しているのは「オメガ3不飽和脂肪酸」です。
このオメガ3不飽和脂肪酸というのは、ドコサヘキサエン酸(DHA)や、エイコサペンタエン酸など、魚油に多く含まれる特定の構造を持つ脂肪酸の総称です。
アメリカ国立衛生研究所のヒベルン博士は「魚を食べる量が多いとうつ病になりにくい。逆に、魚を食べる量が少ないとうつ病になりやすい」という論文を発表しています。魚をあまり食べないドイツやカナダではうつ病にかかる確率が高い一方、日本のように日常的に魚を食べる国ではうつ病率はこれらの国々より低いとのこと。
ただこの話は議論の盛んな研究領域に入っているので、今後の調査や研究にも注目していく必要があります。また、DHAにはうつに関する効果以外にも、記憶・認知能力の改善効果があるという報告がされており、専門家が注目している物質でもあります。
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