違法コピーの情報提供で最大100万円もらえるプログラム、6月は過去最多の145件
BSAが組織内の違法コピー通報者に報奨金を提供するプログラムを2013年6、7月で実施している。その結果、月間通報数が約8倍に急増した。
会社で隠れて違法コピーをしている人を見つけて報告すると、最大で100万円の報奨金がもらえる――ソフトウェアの著作権保護団体「BSA | The Software Alliance」が2013年6〜7月に実施しているこうした取り組みをご存じだろうか。
BSAによるこの「報奨金プログラム」は、組織内違法コピーの解決につながる有力情報の提供者に対して報奨金を提供することで、BSAが職場における違法コピーの適正化のために勇気を持って情報提供した人にその正しい行動を正しく評価するというもの。
なおここでいう組織内違法コピーとは、企業や学校、病院など複数のコンピュータでソフトウェアを使う組織内における違法コピーを指す。これは現在日本で最も多く見られるソフトウェアの違法コピー形態。例えば、1台のコンピュータでのみ使用することが許諾されたソフトウェアのパッケージを入手して複数のコンピュータにインストールするような場合がこれに該当する。
違法・不正ソフトウェアは、組織や消費者を重大なセキュリティリスクにさらす危険がある。違法コピーしたソフトウェアは多くの場合、個人情報の盗難、データ損失、システムのクラッシュやセキュリティ侵害などに利用者を感染させるマルウェアが潜在的に含まれているからだ。
報奨金プログラムがきっかけで、月間通報数が約8倍に急増
BSAによると今回のプログラムがきっかけとなり、6月の通報数は2013年1〜5月までの月間平均通報数の約8倍に当たる145件。これは通報を受け付けてから過去最多の数だという。
通報者の属性を見ると、業界別では販売/流通の19件(13%)を筆頭に、製造が18件(12%)、ソフトウェア開発が13件(9%)、サービスが11件(8%)、ITが9件(6%)と続き、これら5つの業界で全体の約半分(48%)を占めた。
一方、都道府県別では東京都の54件(37%)が最多で、大阪府が18件(12%)、神奈川県が16件(11%)だった。
今回の結果を受けてBSA日本担当共同事務局長の竹下千恵氏は「145件の通報数は確かに多いものの、通報に至るケースは氷山の一角に過ぎない。組織内違法コピー問題の根は深く、まだ多くの人が不正な職場環境で業務を強いられていると考えられる」とコメント。
ソフトウェアの違法コピーは良質なソフトウェアの開発を妨げるだけでなく、関連産業全体の成長を鈍化させるなど経済成長にも悪影響を与える。BSAでは実施中の報奨金プログラムが、1つでも多くの組織内違法コピーの解決に役立てばとしている。
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