かつて優秀だったはずの人がなぜ平凡化していくのか:未来の人事を見てみよう(3/3 ページ)
ポテンシャルが高く、入社当時は「優秀だったはず」なのに、数年後は平凡な社員になっている――。このような人々をハイポテンシャルのまま成長させるにはどうしたらよいのでしょうか? ある企業の事例を基に探っていきます。
平凡化してしまったハイポテンシャルを再び開花させる
このようなデータをヒントに、一般的な会社の課長クラスの人材分布を考えてみると、次のような構成になっているのではないかと想像されます。
(1)ハイポテンシャルな上位層
(2)かつてハイポテンシャルだったのに平凡化してしまった層
(3)そこそこのポテンシャルのまま成長してきた層
(4)ローポテンシャルな下位層
このうち(1)のハイポテンシャル層と(4)のローポテンシャル層はあえて見つけ出そうとしなくても自然と浮かび上がってくるものです。(3)の平凡層は、マネジメントシステムや人事・教育体系などの「環境」をうまく使えば、一定の範囲で底上げできるでしょう。
注目したいのは(2)の「かつて優秀だったはずの層」。どれだけハイポテンシャルな人を採用し、育成し、管理職に登用しても(1)のハイポテンシャル層となっていく社員は限られている。全員をハイポテンシャルのままで成長させるのは難しいのです。
かといって、この層を平凡なまま埋もれさせてしまうのは宝の持ち腐れです。(2)の「かつて優秀だったはずの層」をどのように見抜いて、どのような機会を与えればハイポテンシャル層に高確率で化けさせることができるのか。一部の企業では今真剣に考え始めています。企業の人材力を高める鍵は、この層をいかに底上げできるかに掛かっています。
※この記事は、誠ブログの「未来の人事を見てみよう:かつて優秀だったはずの人がなぜ平凡化していくのか」より転載、編集しています。
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