30〜50代に熱烈に支持されたややシニア寄り!? “電子ノート”新モデルの逆襲:シャープ「電子ノート」開発秘話(2/3 ページ)
手書きにこだわったシャープの電子ノートに新モデル「WG-N20」が登場。期せずしてシニア層の掘り起こしに成功する結果となったこの製品は、どんな進化を遂げたのか。開発担当の西宮健司氏に聞いた。
電子ノートらしさにこだわった改良点
2代目の電子ノートとして登場したWG-N20は、初代モデルに寄せられた要望を反映した形で開発された。
最も分かりやすいのはデータ保存量で、従来の2倍に相当する2000ページ分になった。これは、電子ノートならではの使い方に配慮した結果でもある。西宮氏は「紙のノートだと1ページにきっちり記入するが、電子ノートは走り書きのような書き方をする場合も多い。こうした使い方をするなら容量はもっと大きくていいと考え、2倍にした」と説明する。
自作のフォームも追加できるようになった。初代モデルでもPC連携ユーティリティーを用いて自作フォームを本体内に転送して活用することはできたが、WG-N20ではこれを一歩進め、本体内に保持していつでも呼び出せるようにした。
画面ロックは、電子ノートのセキュリティ向上の為に設けたという。パスワード入力は多くのユーザーがスマートフォンなどでなじみがあるだろうという判断から採用された。
しおり機能も追加された。従来は最後に使ったページが自動的に開く仕様だったが、新モデルでは、しおりをつかって必要なページにすぐアクセスできるようになった。
スマホ連携の可能性
初代モデルのレビュー記事で、筆者は電子ノートにはクラウド連携機能を搭載するべきと述べた。サードパーティのクラウドサービスと連携し、電子ノートに書かれた画像データがそのままクラウド上にアップロードするような仕様、またはそのためのオプションがあってもいいのではないかと提案した。その時点で西宮氏は、実現の可能性がある次世代電子ノートのイメージ図を書いてくれたが、WG-N20ではその構想は実現されていない。
実は現時点でもスマートフォン連携は部分的には実現している。Androidの特定機種に電子ノートを接続するとUSBストレージとして認識し、画像ファイルが見えるという。
Androidの仕様をよく知り、またmicro USBケーブルを別途用意して接続できるユーザーに限ったことではあるが、その点さえクリアできればスマートフォン連携は既に可能になっている。電子ノートがメジャーな画像フォーマットであるJPGに対応したのは、スマートフォン(Android)に接続したときの利便性を考えてのことといえるだろう。またサードパーティーには、例えばAndroid用の電子ノート接続ユーティリティーのようなものの開発を待望しているという。
関連記事
- シャープ、最大2000ページの手書きデータを保存できる電子ノート「WG-N20」
シャープは、6型モノクロ液晶を搭載し手書きデータを保存できる電子ノート「WG-N20」を発表した。 - “手書き版ポメラ!?” シャープの「電子ノート」次世代モデルを妄想してみる
シャープの電子ノートは、メモ機能に特化したシンプルなツールだ。各種文具を研究した形跡も見られる。本稿では、スペックをおさらいしつつ、シャープの過去と現在を見渡しながら、ありうべき次世代モデルについて“妄想”提言してみたい。 - “書き味重視”で、どこまで割り切って作るか――シャープ「電子ノート」開発秘話
手書きメモに特化した異色のデジタルツールとして登場したシャープの電子ノート「WG-N10」には、賛否両論がある。開発陣に製品のコンセプトやターゲット、今後の進化の方向性について聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.