個人が活躍する時代が来る、そのためのインフラを作りたい――クラウドワークス吉田社長:時代の変化に合った働き方(2/2 ページ)
インターネットの普及で働き方が多様化する中、急成長を遂げている企業がある。6万人以上が利用するクラウドソーシングサービス「CrowdWorks」。運営元のクラウドワークスは働き方の変化をどう捉えているのか。吉田浩一郎社長に聞いた。
フリーランス向け福利厚生サービス
――インフラ構築に向けて、具体的な取り組みがあれば教えてください
1番大きな取り組みは、クラウドワークスのユーザーに向けて『フリーランス ライフサポート』の提供を開始しました。これは会社員のような福利厚生サービスを、フリーランスでも受けられるというものです。各種サービスの無料・優待利用はもちろん、スキルアップ支援や法律・税務面でのサポートなど、フリーランスが安心して仕事に取り組めるようサービスを揃えています。
また、人と人との繋がりを生み出すプラットフォームとして、『みんなのお仕事相談所』も開設。フリーランス同士の交流だけでなく、発注者側も利用できるようになっています。
働き方の変化に対して発注者側のITリテラシーが低いという点が、当社では大きな課題だと感じています。そのため「お仕事相談所」を使って、例えば相場に関するリサーチを行ったり、発注するに当たって必要な情報をフリーランスに質問したりしてもらう。これにより、要件を分解し伝えるのに必要なスキルを発注者にも身に付けてもらいたいと思っています。
交流という点では、『マイチーム』という機能もありますね。過去にやり取りしたメンバーの空き時間を見える化することで、簡単に仕事を依頼できるようになっています。つまりクラウドワークス上で、社外に信頼のおけるパートナーチームを持つことができるわけです。
仕事にお金以外の価値観が求められるというお話をしましたが、「ありがとうボタン」はまさにその1つでしょう。多くのフリーランスから提案を受ける発注者から、よくこんな言葉を聞きます。
「頑張ってもらったのに、仕事を依頼できない人がいるのが申し訳ない」――。そんなとき、『ありがとうボタン』をクリックします。これは、頑張りへの評価でもあるんです。機能ができて約4カ月ですが、既に20万にも及ぶ「ありがとう」が生まれています。
企業も個人も、双方が幸せになる環境を作る
――今後の取り組みについて教えてください
フリーランスの「教育」については、さらに力を入れていきたいですね。セミナーへ参加してマイクロソフトのバッヂを獲得できるキャンペーンを6月に開催しましたが、こうした取り組みもさらに増やしていければと思います。
また士業が顧問契約をするように、フリーランスにも『ミニ顧問制度』のようなサービスが生まれたら、もっと働きやすくなるんじゃないでしょうか。複数の顧問先があれば、たとえ1つ契約がなくなっても残りがあり、収入面でも仕事の土台になります。企業にとっても、スペシャリティのあるフリーランスへいつでも相談・依頼できる関係は、貴重なものになると思うんです。
近い将来、正社員の比率は50%を切ることが見えています。企業は正社員雇用を控えるようになり、フリーランスのような個人の活用へ積極的になるでしょう。そうなったとき、企業も個人もWin-Winになれるような環境を作りたい。そのためにクラウドワークスとして何ができるのかを考え、取り組んでいきます。
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