第5回 格安SIMカードで通信費を抑えよう!:誰でも簡単! LTE対応スマホ初心者の料金節約術(3/3 ページ)
前回の連載記事では、長電話をする人向けに「通話料」を抑える方法をご紹介しましたが、今回はパケット通信費用を抑える方法の1つ、「格安SIMカード」を検証します。安いだけでなく、サービスの種類が豊富な点も魅力で、LTEの高速通信をリーズナブルなコストで利用できます。
前回の安い組み合わせを含めた、4パターンを比較します。格安SIMは高速通信が可能な「U-mobile*d」を使います。
- U-mobile*dを挿したスマホで無料通話サービスの050 plusを使う
- U-mobile*dを挿したスマホとソフトバンクケータイの2台持ち
- ドコモスマホ+050 plus
- ウィルコムスマホ+ソフトバンクケータイ
その結果が以下の通りです。
項目 | 会社(サービス名) | U-mobile*d+050 plus | U-mobile*d+ソフトバンクケータイ | ドコモ+050 plus | ウィルコムスマホ+ソフトバンクケータイ |
---|---|---|---|---|---|
契約プラン | 料金プラン名 | U-mobile*d ダブルフィックス | U-mobile*d ダブルフィックス+LLプランバリュー+家族割引MAX50など | タイプXiにねん | ウィルコムプランLite+LLプランバリュー+家族割引MAX50など |
インターネット接続名 | U-mobile*d ダブルフィックス | U-mobile*d ダブルフィックス | spモード | ウィルコムプランLite | |
パケット定額サービス名 | U-mobile*d ダブルフィックス | U-mobile*d ダブルフィックス | Xiパケ・ホーダイ ライト | ウィルコムプランLite | |
割引サービス(無料通話サービス) | 050 plus | なし | Xiカケ・ホーダイ+050 plus | なし | |
料金内訳 | 基本使用料 | 0円 | 6720円 | 780円 | 980円+6720円 |
無料通話分(ケータイのみ) | 0円 | -1万1550円 | なし | -1万1550円 | |
30秒あたりの通話料 | 1分16.8円(携帯電話)/3分8.4円(固定電話) | 7.35円 | 1分16.8円(携帯電話)/3分8.4円(固定電話) | 7.35円 | |
インターネット接続料 | 0円 | 0円 | 315円 | 315円 | |
パケット定額サービス | 714/2079円 | 714/2079円 | 4935円 | 2980円(1980円/6ヵ月) | |
割引サービス料金 | 315円 | 0円 | 1015円(700+315円) | 0円 | |
同社通話料1日20分×30日 | 0円 | 8820円 | 0円 | 8820円 | |
他社通話料1日20分×30日 | 1万80円 | 8820円 | 1万80円 | 8820円 | |
固定通話料1日20分×30日 | 1680円 | 8820円 | 1680円 | 8820円 | |
30日後の合計料金 | 1万2789〜1万4154円 | 2万2344〜2万3709円 | 1万8805円 | 2万5905円/2万4905円 |
格安SIMを使ったところ、1台持ちなら5000円前後、2台持ちでは1000〜3000円程度安くなることが分かりました。とはいえ通話料自体は格安SIMを使っても変わりません。変わったのはパケット定額料金で、大幅に下がりました。1台持ちなら基本使用料もなし。もちろんここで「ServersMan SIM」を使えばさらに安くなりますし、「基本料0円SIM」でWi-Fi接続をすればパケット定額代も0円! というすごい節約も可能でしょう。
パケット定額料はLTEスマホでは必ず発生する「固定費」のようなもの。格安SIMカードでそのパケット定額が大きく下がると、どんな人でも節約になります。長電話派の人も、2台持ちをしたい人も、もちろん1台持ちで通話をほとんどしない人にも、大助かりです。
中古のスマホは安いのか?
しかし格安SIMカードを使うために、中古のスマホを買うことが節約になるのでしょうか? 中古のスマホを買ってもケータイ会社の毎月の割引(月々サポートなど)はありません。この割引がないと節約につながらないのでは……と思う人もいるでしょう。
そこでまず、中古スマホをいくらで買えるのか調べてみましょう。これらの端末は、「中古スマホ」や「白ロム」(SIMカードがないスマホやケータイ)といったキーワードで検索すればネット上で買えますし、最近はPCショップやゲームショップ、中古家電を扱う店にもあります。
夏モデルのLTEスマホはいくらでしょうか。人気機種の新規、機種変更、中古の価格をネット上で探してみましたが(9月中旬)、以下の通りです。
項目 | Xperia A | GALAXY S4 | AQUOS PHONE ZETA | ARROWS NX |
---|---|---|---|---|
新規一括 | 7万8120円 | 8万3160円 | 7万4760円 | 7万4760円 |
機種変更一括 | 7万8120円 | 8万3160円 | 7万4760円 | 7万4760円 |
新規実質(毎月の割引額) | 5040円(3045円×24カ月) | 5040円(3225円×24カ月) | 1万6800円(2415円×24カ月) | 1万9320円(2310円×24カ月) |
機種変更実質(毎月の割引額) | 1万5120円(2625円×24カ月) | 2万160円(2625円×24カ月) | 1万6800円(2415円×24カ月) | 1万9320円(2310円×24カ月) |
中古最安 | 3万円 | 3万8800円 | 4万4800円 | 4万4800円 |
ドコモの「Xperia A SO-04E」「GALAXY S4 SC-04E」「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」「ARROWS NX F-06E」が中古で3〜4万5000円程度で売られています。中古市場は変動が激しく、本体の状態もいろいろありますが、普通に買えば一括で7〜8万円ですから、3〜5万円も安いことになります。
一方で、ケータイ会社で新規契約、機種変更をすれば普通は毎月の割引が発生します。この割引を含んだ価格が「新規実質」「機種変更実質」です。ここでは9月30日まで行われているドコモの「はじめてスマホ割(ケータイからの機種変更向け。毎月の月々サポートの割引額が増額)」も適用し、非常に安く見えます。
しかしその割引額を見ると月2000〜3000円。しかも割引は最長で24カ月まで。2年後にはなくなります。格安SIMカードなら1台持ちで月5000円前後安くできますし、期間もないので、中古LTEスマホを買っても十分安いことが分かります。
では実際の料金の差を見てみましょう。人気のXperia Aを例に、格安SIMカード+中古、新規契約でデータ通信のみ(冒頭のパターン)、新規契約で通話もあり(一般的なパターン)の3通りを比較し、24カ月利用した場合も想定してみます。
項目 | 会社(サービス名) | U-mobile*dで中古のXperia A | ドコモ新規契約でXperia A | ドコモ新規契約でXperia A |
---|---|---|---|---|
契約プラン | 料金プラン名 | U-mobile*d ダブルフィックス | Xiデータプラン ライト にねん | タイプXiにねん |
インターネット接続名 | U-mobile*d ダブルフィックス | spモード | spモード | |
パケット定額サービス名 | U-mobile*d ダブルフィックス | Xiデータプラン ライト にねん | Xiパケ・ホーダイ ライト | |
割引サービス | なし | 月々サポート | 月々サポート | |
料金内訳 | 本体代 | 3万円 | 7万8120円 | 7万8120円 |
基本使用料 | 0円 | 0円 | 780円 | |
インターネット接続料 | 0円 | 315円 | 315円 | |
パケット定額サービス | 714/2079円 | 4935円 | 4935円 | |
割引サービス料金 | 0円 | -3045円 | -3045円 | |
1ヶ月後合計(本体料金含まず) | 1029/2394円 | 2205円 | 2985円 | |
24ヶ月後合計(本体料金含む) | 5万4696〜8万7456円 | 13万1040円 | 14万9760円 |
格安SIMカード+中古スマホの組み合わせがとても安いことが分かります。毎月の料金だけを見るとちょっとの差で、データ量を3Gバイトまで使えばドコモの「Xiデータプラン ライト にねん」が安いのですが、本体代の差が大きく、結局24カ月後のトータルの支払い額は「格安SIMカード+中古スマホ」が節約に大きく貢献します。
前述したように月々サポートの割引は24カ月で終了し、3年目からはこの差がさらに大きくなっていくのです。
最新機種にこだわらなければ、もっと安い中古スマホも入手できますし、家族や友達から譲ってもらえば端末代が0円という人もいるかもしれません。そうなればさらにトータルの支払い額は抑えられます。
格安SIMカードは申し込みと設定にも手間がかかり、さらにデータ通信だけではデメリットもあります。安い中古スマホの中からお気に入りのスマホを見つけるのは時間がかかるかもしれません。ですがその手間を惜しまなければ非常に安くなるので、ぜひ試してほしい節約方法です。
著者プロフィール:小林誠
釣りと猫を愛する1982年生まれのフリーライター。宮城県出身。神奈川大学卒業後、編集プロダクション「ゴーズ」に入社。携帯電話の記事に携わり後に独立。雑誌、Web媒体でスマートフォン、タブレット、家電周辺の記事を細々と執筆している。ケータイライターを自称しているが「電話が苦手」「人見知りする」というコミュニケーションとは正反対の側にいる人物。30歳で糖尿病と判明し、ダイエットをしてはリバウンドする日々を送る。著書に「初めてでも絶対わかるiCloud&iTunes」(ソフトバンク クリエイティブ、共著)など。
- ブログ:「“ケータイライター 小林誠のぶろぐ」
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