5年目のEvernoteは「デザイン」「シンプル」で挑戦し続ける:100年スタートアップ企業が目指すもの(2/2 ページ)
Evernoteのフィル・リービンCEOが来日し、日本ユーザー向けに説明会を開催。最新バージョンの特徴や他社と共同開発したオリジナル製品の販売について、同社の方向性を話した。
ユーザーの66%がEvernoteを仕事で使っている
2012年12月に投入したビジネス版「Evernote Business」も近日中にアップデートを加える予定だ。
Evernoteの世界7500万ユーザーのうち、約66%の人が仕事で使っているという。フィル氏は「ユーザーはビジネスパーソンでもあり、いち消費者でもある。プライベートで使っているいいツールを、仕事にも使いたい、そう思っているはずだ。しかし会社の業務ツールはデザインもよくないし、いけてない。我慢してしょうがなく使っている。だからEvernote Businessはその点を意識して構築している」と説明した。
リリースから約9カ月。Evernote Businessは8000を超える企業で使われている。個人のアカウントとビジネスのアカウントをうまく使い分けて、仲間といい使い方ができる、そんなツールとして使ってほしいという。
加えて、顧客管理サービス「Salesforce」と連係する「Evernote for Salesforce」についても触れた。Evernote Businessを経由して、Salesforceに顧客情報を送れるというものだ。この詳細は、2013年10月9〜11日に東京ビッグサイトで開催される「ITpro EXPO 2013」の中でも紹介するとしていた。
アプリのその先にあるもの
最後に、オンラインショップ「Evernoteマーケット」を立ち上げた経緯を話した。そもそもEvernoteは「外部脳を世界中の人に提供してよりスマートな仕事をしてもらう」ことをコンセプトとしていた。しかし成長を続ける中で、アプリを超えてその先にあるものを目指すこととした。それがナレッジワーカーが必ず使うモノを提供することだ。
いくらデジタル化が進んでも、紙はなくならないし、ビジネスパーソンは仕事に必要な文具などあらゆるモノを求めている。そしてそれをEvernoteが提供するには、パートナー企業との協力が必要だった。
1つは、adonitとの協業で生まれたスタイラスペン。約1年の制作期間を経て、adonitのハードウェア技術とEvernoteのソフトウェア技術を融合し、作ったという。出荷開始は10月だが、米国では発表から2日で非常に多くの注文がきているようだ。
フィル氏は、「モレスキンとの協業で学んだのは、ペーパーレスはゴールじゃないということ。いくらデジタルツールが普及しても、その提供企業でさえも周りを見渡すと毎日紙を使っている。だから紙をなくすのではなく、紙を使った嫌な経験をなくしていく。紙を使ったいい経験を増やしていきたい」と話す。その流れで、新しいパートナーに選んだのが、ポストイットを提供する3Mだ。
Evernoteをいかにシンプルにするかを考えていく中で、1つのヒーロー製品があると気付いた。それがポストイットだったという。ポストイットは何億人もの人がトレーニングなしでも使い方が瞬時に分かる付せんで、かつ世界では110年、日本では50年の歴史がある老舗商品。まさに100年続く企業を目指すEvernoteが学ぶべきところも多く、今回のパートナーシップは非常にうれしく思っているとフィル氏は話した。
そのほか、「Evernoteマーケット」ではロゴ入りTシャツや鞄、財布、ポスターなども販売する。商品開発には、ひらくPCバッグなどを発売しているバリューイノベーションも加わっており、世界展開を視野に入れた商品開発を今後も行っていくとしていた。
以下、都内で行われた発表会で紹介された商品の一部を画像で紹介する。
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