散歩の達人は「解決の達人」――ぶらぶら歩くことは創造力を高める:3分LifeHacking(2/2 ページ)
忙しい毎日。時には何もしない喜びを存分に味わってみてはいかがでしょうか。無意味なことにも力は宿るのです。ぶらりと散歩に出れば、クリエイティブなひらめきが生まれるかもしれません。
歩くときには流れるようなリズムで
散歩に出ると、手と足が自由になります。ディケンズは「気ままな歩き方」(swinging gait)をしていたそうです。クリエイティブ思考やクリエイティブ知能の理論では、「創造性とは流れに乗るものだ」考えます。
スタンフォード大学とタフツ大学の研究者が、「体の動かし方によって創造力は高まるか」という実験をしました。被験者を2つのグループに分け、1つは腕を流れるように動かし、もう1つはこわばったように動かします。その運動後にいくつかの質問が行います。例えば新聞の使い道や、思い付く限りの乗り物を挙げるなどです。その結果、流れるように腕を動かしたグループは創造力が高まりました。乗り物に「ラクダ」を挙げた人もいたのです。
ぶらぶら歩くときは、腕だけでなく流れるようなリズムで全身を動かしましょう。この動きが、創造力を高めてくれるのです。
暇な時間がひらめきを生む
当てもなく歩く時、目的地はありません。達成すべきことも、買わなければならないものもないのです。ぶらぶら歩くと、暇な時間が生まれます。エッセイストであり漫画家でもあるティム・クレイダー氏はこう書いています。
暇がもたらす空間や静寂は、人生から一歩離れて全体を見渡すために必要な条件です。それによって、予期せぬつながりが生まれたり、真夏の落雷のようなひらめきを待ったりできるのです。逆説的ですが、それこそ仕事を進めるために欠かせないことなのです(『The Busy Trap』)。
暇な時間は、ひらめきを得るための機会になります。怠けることを恐れずとも大丈夫。ノーベル文学賞受賞者であり、ジャーナリスト兼哲学者であるアルベール・カミュは、こんなに心強いことを言っています。
暇というものは一般的な人々にとってのみ致命的なことであった。『幸福な死』(高畠正明訳、新潮文庫)
何もしない喜びを存分に味わってください。無意味なことにも力は宿るのです。ぶらりと散歩に出れば、クリエイティブなひらめきが生まれるかもしれません。
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