「日本発のクラウドで世界のチームワークを強くする」――サイボウズ青野社長:cybozu.com カンファレンス2013
サイボウズは年次カンファレンスを開催。基調講演で青野社長は2014年に米国と中国へ進出することを発表。サイボウズが考えるチームワーク力を世界に向けて発信していく。
サイボウズ青野社長。基調講演の冒頭では「最近、新しい働き方を推奨している企業として注目を集めているが、先日の台風の日にはすぐにフジテレビから電話がかかってきて『サイボウズさんの社員は今日出社するのか』と聞かれた。『たぶん来ないんじゃないですかね』と答えたら夕方のスーパーニュースでそのコメントが流れ、実際、社内はガラガラだった。と写真付きで紹介した
2014年は米国、中国でマーケティング活動を始める――。サイボウズの青野慶久社長は11月8日に開催した「cybozu.com カンファレンス2013」の基調講演で、クラウドサービス「cybozu.com」の世界進出を発表した。
2011年11月に提供を開始したcybozu.comは、2013年10月現在で国内5000社以上が導入するまでに成長。青野社長は他のクラウドサービスとcybozu.comを比較した場合の特徴として「安心運用」「データ保全」「認証」を挙げ、「セキュリティが怖いからとクラウドを使わないのはもったいない。cybozu.comであれば日本の安全なデータセンターで運用し、データ保全も運用保守も世界最高水準だと自負している」と強調した。
基調講演ではcybozu.comの運用責任者を務める山本泰宇氏も登壇し、「日本企業の多くがクラウドを導入する際にパスワード管理や情報漏えい対策が不安だと挙げる」としたうえで、cybozu.comのパスワード管理が強固なものであることや、情報漏えい対策として暗号化技術を利用していることなどを直接説明した。「よく、ここまで内部情報を公開してしまっていいのかと言われるが、それくらいしっかりセキュリティ対策を行っていることを知って安心してもらいたい。あとは『クラウドだからあきらめた』といわれることの多いバックアップ/リカバリについても障害検知や自動復旧機能をしっかり備えている」とした。
青野社長は「日々の改善を積み重ねながら日本人が作る安心安全のクラウドを世界に発信していきたい」とコメント。主要サービスの基本容量を現在の1Gバイトから倍の2Gバイトに増量する計画を明かした。来年にはさらなる容量増加も予定しているという。
チームを強くするクラウド
cybozu.comを使うと何がいいのか。青野社長は「チームを強くする」と述べ、サイボウズが考える「チーム」の条件として(1)メンバーがいて(2)共通のビジョンがあり(3)メンバーそれぞれが自信の役割分担を分かっている。そして(4)メンバー間で相互によい関係を築いていること、とした。
「チームとは、単に人が集まるだけではない。この4つの条件が必ず必要。そして昨今、チームは多様化し、働く場所も人種もさまざま。そんな時代のチームワークを支えるのがcybozu.comのようなITツールで、パートナー企業とともに今後もチームワーク力を高める製品群を提供していきたい」(青野社長)
組織のイノベーションの中心は人、ITは代わりがきく
基調講演には特別ゲストとしてシスコシステムズの平井康文代表執行役員社長も登場。今後は情報システム部門だけがIT資産を管理する時代は終わる。そしてその背景にはITのコンシューマライゼーションやクラウドの普及、ネットワーク化があると述べた。
加えて、強いチーム、チームワークを考えるうえで重要なこととして「ツールではなく、人を主語に考えること。ITはあくまでツールで代わりがきく。チームのメンバーは互いを信頼し、情報を共有し、共通する価値観やビジョンに向かってともに働いていくことが大切」と述べた。「今後もサイボウズとともに組織のチームワーク力強化に貢献するものを提供していきたい」(平井氏)
基調講演後半では、cybozu.comを導入してチームがよくなったという12社の事例が紹介された。
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