ゆったりした時間の流れる川の側にオフィスを構える:ベンチャー企業オフィス100選【せーの編】
衣料品および雑貨の販売や直営店運営、Web通販などを展開するせーのオフィスは、海外展開と高付加価値化を図るさまざまなデジタル化の仕掛けが施されている。
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本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。
メンズブランド「VANQUISH」を中心に、「VAROSH」「MURDER LICENSE」「3rd by VANQUISH」「gonoturn」など7つの主要ブランドを展開し、衣料品および雑貨の企画・製造・販売、直営店運営、Web通販、店舗開発、メディア開発、ライセンス事業、アートディレクション・デザインなどを展開するせーの。2001年1月に中目黒で創業した同社は、その後上目黒・原宿などを経て、2011年2月に現在の「東急池尻大橋ビル」へ本社を移転してきた。同社代表取締役を務める石川涼氏は言う。
ゆったりした時間の流れる川の側にオフィスを構える
「川が好きなんですよ。川の側って、何だか時間がゆったり流れているような気になりませんか? それに目黒川の両岸には桜並木になっていまして、春になると満開の桜がものすごくキレイなんです。それで原宿のオフィスが手狭になってきたとき、まとまった面積の確保できる物件を探している過程で、たまたまタイミングよくこちらのビルの2階が空いていたので、移転することにしたんです」
移転に際して同社がこだわったのは、展示会などを自社内で開催することのできるスペースの確保であった。同社オフィスの最大の特徴である「プレスルーム」である。以前のオフィスにも同様のスペースはあったが、ごく手狭であり、それが不満だったという。「お客様が直接ご覧になる機会も多いので、プレスルームは特に細部まで入念に作り込んでいます」(石川氏)
また、オフィスをワンフロアに集約して社内コミュニケーションの活性化も図っている。
本社オフィスに導入されたさまざまな仕掛け
プレスルームでの展示には、同社の運営する直営店舗と同じようにある商品を手に取ると、その商品をモデルが実際に着用した写真がモニタに映るなど、随所に“デジタル化”の仕掛けが施されている。
「これからの時代、リアル店舗の存在価値というのはどんどん失われていくのではないかと考えています。ただ商品がキレイに陳列してあるだけでは、お客さん顧客にわざわざ足を運んでもらうことは難しいのではないかと。こうした店舗のデジタル化と連動して、オフィスもデジタル化を進めています。エントランスに導入している『フェイスタッチ』などもそうした取り組みの1つで、お客さんには好評をいただいています」(石川氏)
「フェイスタッチ」は、石川氏と親しいチームラボが自社開発した製品で、来客用のインタフォンを通じて個々のメンバーの情報を開示し、あらかじめ興味や関心を持ってもらうことでコミュニケーションをスムーズにするための仕掛けだ。このほか、石川氏がスタッフや来客とのコミュニケーションに活用しているユニークなツールがある。
「このロボットは、海外からログインして動かすことができ、モニタを通じてスムーズなコミュニケーションが可能です。目の部分はカメラ、額の窓はモニタになっていて、ここに私の顔の映像を映すことができます」(石川氏)
石川氏が遠隔操作する“ロボット社長”は、海外出張が多く、年の半分は不在がちの石川氏に代わって、社内での打ち合わせに参加したり、来客にあいさつしたりすることもある。同社は今後、さらに海外に向けて軸足を移していくという。
※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)
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