夢はライフスタイルを変えるサービスをつくること:世界を変える80年代生まれの起業家(1/2 ページ)
学生時代につくったWebサイトがキッカケで、アフィリエイト会社に就職した関根佑介さん。歌詞と一緒に楽曲を再生する「Lyrica」を発案したほか、DeNAの音楽サービス「Groovy」のプロジェクトではメインのUI設計などを担当。関根さんが起業する直前の貴重なインタビューです。
集中連載「世界を変える80年代生まれの起業家」について
本連載は、山口哲一著、書籍『世界を変える80年代生まれの起業家』(SPACE SHOWER BOOks)から一部抜粋、編集しています。
日本を活性化させるのは、80年代生まれの起業家だ!
国内の雇用環境の激変を背景に、若者の職業選択は大きく変わろうとしている。自己実現を1つの手段として、生き方として、新たに自らサービスを創造する「起業という選択」が注目されている。
本書では社会に新たな価値を提示し果敢に挑戦をし続ける、注目の80年代生まれの起業家10人に焦点をあて、彼らの起業動機やサービスのコンセプト、事業のあるべき姿、将来や人生の目標などをたずね、彼らの真の姿を浮彫りにしながら、起業という「もう1つの生き方」を提案。
シューカツの社会的矛盾と起業という選択肢の価値を問う。
プロフィール:
関根佑介
1982年生まれ。尚美ミュージックカレッジ卒業生。2005年にファンクラブシステムの開発と運営を行うデータリーフに入社。2006年、アフィリエイト事業を展開するファンコミュニケーションズに入社し、事業開発部にて複数サービスの企画・設計に従事。
2011年スパイア(現ユナイテッド)に入社、2013年に事業部長就任。今までに企画した主なスマートフォン向けサービスは、音楽を聴きながら歌詞が確認できるスマートフォン向け音楽プレイヤー「Lyrica(リリカ)」(370万DL)や、使いやすさのみを追及した音楽プレイヤー「Discodeer(ディスコディア)」(170万DL)など。
発案やプロジェクトへの参加としてスマートフォンを可愛く着せ替えができる「CocoPPa(ココッパ)」(1200万DL)の発案やDeNA社との共同事業である音楽サービス「Groovy(グルーヴィー)」がある。その他、スマートフォン向けのUIや企画に関するセミナーへの登壇やさまざまな他社サービスのアドバイザーなどの活動も行っている。
超人気スマホアプリの企画者から起業家へ
僕の夢は「世界中の人のライフスタイルを変えるサービスを作り、みんなの時間を奪う」ことです。時間を奪うというのはどういうことかというと、例えばTwitterやFacebookなどのSNSは多くの人の暇な時間や空いている時間に使われています。生活の一部になっている人も多く、結果的にライフスタイルが変わり生活時間を奪っています。同じように僕たちが作ったサービスでも人々の時間を奪いたいです。実際に起業しなくてもサービスは作れますし、作れる立場にもいましたが、リスクもリターンも少ない中で挑戦しても面白くないし、成功したときにメンバー全員へ大きいリターンがあったほうが良いと思い起業しました。もちろん「有名になる」「人気者になる」「サラリーマンが一生かけて稼ぐ金額を若いうちに稼ぐ」という目的もあったりします(笑)。
iPhone購入者の25%が使った音楽アプリ「Lyrica(リリカ)」を開発
人生の転機となったサービスが、株式会社ファンコミュニケーションズ(※1)という会社でつくった「Lyrica」です。iPhoneで音楽を再生しながら歌詞を見ることができるアプリで、当時、iPhoneが300〜400万台しか日本にないときに100万ダウンロードされました。単純に4人に1人ですから、すごいことですよね。歌詞を見ながら音楽を聴くアプリというのは国内ではもちろん世界でもほとんど初めてだったそうです。今では300万以上ダウンロードされています。
当時はまだスマートフォン市場でヒットが少なかった。その中で出てきたヒットサービスでしたので、サービスと同時に企画者の僕自身も業界から注目されるようになりました。
そのような状況の中で転職したのは、もっとサービス開発に集中している会社に行きたいと思ったからです。幸いLyricaのヒットによって、スパイア(現ユナイテッド)の役員の人に声を掛けて頂きました。そこで最初に生まれたのがDiscodeer(ディスコディア)というサービスになります。
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