“最強のプレゼンマスター”は資料にExcelをベタ貼りしない:誰も書かなかった、広報女子部ログ
“最強プレゼンマスター”を名乗る3人のビジネスパーソンが口をそろえるのは、「プレゼン資料にテンプレそのままのExcelグラフベタ貼りはNG」ということ。その理由は。
プレゼン資料に“テンプレートそのまま”のExcelベタ貼りはNG――。これは、“最強プレゼンマスター”を名乗る3人のビジネスパーソンの一致した意見だ。11月21日、その“プレゼンの奥義”を伝授するというセミナーが開催された。
セミナーに登場した3人のプレゼンマスターのうち、プラス ジョインテックスカンパニーの伊藤羊一氏(執行役員ヴァイスプレジデント 兼 教育環境研究所取締役)とソフトバンクモバイルの加藤欽一氏(技術第三統括 移行促進本部 課長)は、ソフトバンクの孫正義氏が自身の後継者を発掘するために開校したソフトバンクアカデミアの一期生。いずれもアカデミアのプレゼン大会で孫氏をうならせるプレゼンテーションを行ってきたという強者だ。
ガシー・レンカー・ジャパンの植山周志氏(デジタルマーケティング部 オペレーションズ マネージャー)は、長年、重役向けプレゼン資料の作成法をレクチャーするとともに、ビジネススクールや企業などで800人以上にExcel、プレゼン、思考法などを教えてきたという実績の持ち主だ。
このマスターたちが、プレゼン資料の作成に関して口をそろえるのが「テンプレ通りのExcelグラフをベタ貼りしない」ということ。その理由を、筆者が作った簡単なグラフで下に例示しよう。
- Excel既定のカラーはイケてない
例えば、簡単な数値を入れて棒グラフを作成すると、このようなグラフができあがる。背景の薄いグレーは全体をぼやけた感じに見せてしまい、4つの指標も色がパッとせず印象に残らない。
- 「指標」の取り扱いがイマイチ
人の視線は左から右へ、上から下へ動くが、指標ボックスはその流れを断ち切ってしまう。どうしても指標ボックスを入れる必要があるなら位置を調整して使用し、盛り込むコンテンツを入れすぎず、1つにすることで指標ボックスがいらない状態を作ることも必要である。
- ごちゃごちゃしすぎになりがち
これはExcelの問題ではないのだが、複数の指標を盛り込むのも危険だという。指標が2つあると、どっちがどっちのの指標なのか、どの目盛りを見ればいいのかと、聞き手を悩ませることになるからだ。
ポイントは“シンプルに、分かりやすく”
「一瞬で見て、言いたいことが分かる!」――。それが資料作成のキーワードといえるだろう。
セミナーに登壇したプレゼンマスター、植山氏が運営する「植山周志のぶっ飛びブログ」には、Excelのグラフを見やすくするためのさまざまな工夫が紹介されており、ビジネスパーソンの役に立つこと請け合いだ。
例えばサイトでは以下のようなグラフを提示し、「どのように直したら見やすいと感じてもらえるか」という課題を出している。
確かにこのグラフの中には、知らせたい情報がたくさんあるのが分かるが、いかんせん見づらい。おそらく資料を手元において説明する時にも「少し見づらいのですが……ココが……」という説明を付け加えることになるだろう。
植山氏ならどうするか。(1)グラフのカラーを絞る (2)折れ線グラフは多くても3本にとどめる (3)凡例は線の横に置く――。これだけで、伝えたいことがすっきりと伝わる、誰の目にも分かりやすいグラフができあがる。
日々、プレゼン資料作成に悩んでいるビジネスパーソンは、植山氏のブログをのぞいてみるといいだろう。
※この記事は、誠ブログの「誰も書かなかった、広報女子部ログ:“最強のプレゼンマスター”はプレゼンPPTにExcelをベタ貼りしないより転載、編集しています。
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