ゆとり世代を即戦力にする新人研修、決め手は”ゲーム感覚”:スマホ世代が熱中(2/2 ページ)
競争心がない、ハングリー精神がない――。そんな平成生まれの若手社員を夢中にさせる新人研修プログラムがある。スマホを使ってゲーム感覚で学べるのがポイントだ。
やらされてる感がない――内定者の声
――内定者のお2人に聞きましょう。入社前から課題をこなさなければならない、ということに抵抗はありませんか?
島内: 最初は“よくある社会人の基礎マナー”なので、「めんどくさいな」と思ったんです。でも、やってみると、1つの問題がすぐ終わるので簡単に達成感が味わえて楽しくなってきました。
10問終わると1つランクが上がるので、それがうれしくて。ランクは最初がヒラで最後が社長なのですが、「次は何に出世するか」が知りたくて、一気にやっていました。
ランキングが出るのも楽しかったですね。同じ女性の同期とずっと競っていたんです。朝起きて2位に下がっていると「くやしいからがんばろう」という気持ちになりました。
寺田: TwitterやFacebookを見たり、ゲームをしたりするのと同じ感覚で、時間があったら立ち上げていました。2〜3分で1つの問題をこなせるので、電車を待つような空き時間にやりやすかったです。
――モバイルナレッジを利用して「良かった」と感じたことは?
島内: 先輩社員が「何だってー!」とコメントしている問題がありました。大きな窓がある場合の上座はどこかというものです。私も間違えたのですが、「先輩も分からなかったんだな、同じことを思うんだな」と、すごく親近感がわきました。
寺田: ほかの同級生はまだ、社会人としてのマナーを身につけていませんよね。大学の友人たちと食事に行ったとき、学んだことを実践してみたら感心されました。「おまえら、知らんやろ」といった感じで(笑)自信につながりましたね。
取材の部屋に通された寺田さんと島内さんは、スーツこそ着ているものの、身分はまだ学生だ。にもかかわらず、受け答えはしっかりしており、名刺交換も自己紹介も手慣れた様子。こんなところからも、スマホ研修の効果が垣間見られた。
教育の方法は時代に合わせて変わるべきものだ。新人教育についても、これまでの手法が通じないと嘆くより、“どうすれば彼らが学ぶ気になるのか”を考えた方が理にかなっている。スマートデバイスを活用した新人研修は、その1つの解といえそうだ。
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