資料を何度も作り直させる上司は三流以下:サイボウズ式(1/2 ページ)
資料作成を頼まれ、作ってみたら「あー、違うんだよなぁ。作りなおして」と言われたことはありませんか? そうないためにも、要点の説明や情報共有をキチンとおこなうことが大事です。
「サイボウズ式」とは
「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイト。
本記事は「サイボウズ式」に掲載された「資料を何度も作り直させるのは三流以下の仕事」から一部抜粋・編集して掲載しています。
チームで仕事をする際に避けられないのは「仕事の依頼」です。
自分が仕事の依頼をすることもあれば、誰かから仕事を依頼されることもあるでしょう。チームワークが難しい1つの理由に、優秀なプレイヤーは、必ずしも優秀なワン・オブ・チームメイトではないという点が挙げられるでしょう。それが顕著に出る例になります。
同時にこれは、組織における「教育」という側面に密接に関わっています。日本企業の多くは小さいタスクを新人や後輩に任せることで、成長を促しながら実業務の負荷分散を行っていくという役割分担をしていることが多いからです。
今日はこの点を絡めながら、話を進めてみようと思います。
何を作ってほしいのか分からない三流以下の上司
さて、仕事を依頼された中で納得できなかったのは「要件を明確に共有してくれない」ことです。例えば、資料作成の依頼があるとします。ダメダメな上司は誰に対して使う資料なのか、どの資料のどこの部分に使うのか、どのようなイメージなのか何が発生するのかを共有しません。
そこで、僕が自分なりに気をきかせて要点を抑え、シコシコ作った資料を持っていくと、
「あー、違うんだよなぁ。こんな感じが欲しかったんだよ。作りなおしてもらえる?」
なんてことを平気で言います。こちらに要求する粒度(※)や表現について、事前情報が与えられていないにも関わらず、それを求めていたのです。でも、僕はエスパーじゃない!
アジェンダの前提が変われば、丁寧に作った資料もすべて作り直し。同時に、彼らはそこで発生する手戻りのコストを依頼した相手に負わせ、そこに対する反省がありません。他のタスクが出来たであろうリソースの機会損失を考えると、明らかなチームとしての工数のロスです。マネジメント力のなさを感じます。
さらには、こちらのセンスがないかのような言い方をする人までいます。こういう人たちは「明確な要件をお互いに共有する」ことに手間暇をかける姿勢がに足りません。自分の頭の中のイメージをサラっと伝えて、それが相手に十分に伝わると思っているのか、スマホの同期のように脳内シンクロができていると思っているのです。
さて、「明確な要件」というのを先に挙げた資料で言うと、「どのようなアウトプットの形に落とし込まれるか」になります。具体的には、
- その資料がなぜ必要なのか?(背景)
- 誰に対して見せる資料なのか?(目的)
- 何を説明しようとしている資料なのか?(内容)
- どのように表現してほしいのか?(アウトプットのフレームワーク)
を、明確にするということです。
このうちのどれかに対する認識の共有が欠如した時点で「ズレ」が発生します。
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