シュレッダー不要! 機密書類の郵送処分サービスを試した:Biz.Hacks(2/2 ページ)
機密書類を送付すると、薬品による溶解処分をしてくれるサービスがある。社内でシュレッダー処理するより手間はかからないが、コストやセキュリティ面はどうなのか? 機密書類処分サービスの内容や選び方を紹介する。
申し込みから処分完了まで、具体的な流れをチェック
機密書類処分サービスは法人向けに提供されることが多いが、個人で申し込めるものもある。今回は、個人が1箱から依頼できる「セキュリティーパック21」(ワラケン)を例にサービスの流れを紹介しよう。
まず、同社Webサイトで専用の発送キットを購入する。サイズはMとLの2種類だが、LサイズでもA3までしか入らず意外と小さい。ゆうパックの集荷は重さ30キロまでなので、そこから逆算して箱のサイズを決定したのだろう。
段ボールを組み立て、説明書の手順に従って不要な書類を詰め込む。ちなみにファイルなどのプラスチックや金属のクリップ、リングなどがどこまで許容されるかは事業者によって異なる。問題となる可能性もあるので注意したい。不純物の封入が疑われる場合はやむを得ず開梱する場合があると明記する事業者もある。
廃棄書類を入れ終わったら封をし、付属のラベルを指定位置に貼り付けたのち、送り状を上から貼る。このサービスでは、送料およびゆうパックのセキュリティサービスの料金はキット代金に含まれているため、追加費用はない。
数日すると事業者から到着を知らせるメールが届き、処分に入ることが伝えられる。さらに数日経ってから、処分が完了したことを知らせる「溶解証明書」が封書で届く。これをもって処理は完了となる。
その他の注意点は
機密書類の処分サービスはほとんどが法人向けであり、価格は要見積りとなっていることが多い。また、専用便を使う関係で複数箱の同時送付を必須とする場合もあるなど、相場が非常に分かりにくい。「セキュリティーパック21」のようにWeb上で価格を明示しているのは極めてまれだ。
また、事業者によっては別サービスのオプション提供のかたちをとっているため単体では申し込めず、取引口座を作ったうえで掛売での取引を必須としている業者もあるなどスポット利用が難しいケースも多い。
すでに取引口座が存在する運送業者やオフィス用品事業者がこうしたサービスを提供していないか調べ、その上で価格や取引条件、さきに述べたポイントなどをチェックするところから始めるのがおすすめだ。その上でサービス内容に不満があるようなら、ほかの事業者の利用も検討するとよいだろう。
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