よいアイデアが生まれる4つのルール:「考える」力をつくる30のルール(1/2 ページ)
ブレストの場で常識や理屈で批判してしまうと、いいアイデアは生まれなくなる。どんな意見でもまずは肯定し、その上に議論を重ねていく。今回は、斬新なアイデアを出すためのちょっとしたルールを紹介する。
集中連載「「考える」力をつくる30のルール」について
本連載は、長野真一著、書籍『「考える」力をつくる30のルール』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。
少子高齢化に年金制度の崩壊、いじめ、災害――。問題が山積みの現在の日本、私たちはこの困難の時代に生き延びなくてはなりません。
各界で活躍する一流の講師たちが、東北の未来を担う若者たちに「生きる力、考えるヒント」を授けるNHKのEテレ番組「東北発☆未来塾」。そのなかで、講師たちが語った珠玉のひと言が「ゴールデンルール」です。
「コンセプトは机の上で考えるな。日常に落ちている」(箭内道彦)
「人の意見をまずは肯定しよう」(山崎亮)
「どこでも使える文言に、人をひきつける力はない」(星野佳路)
これからを生き抜くために、何を考え、何をすべきか。本書では、番組内で紹介した自ら未来を切り拓いてきた人たちの30ゴールデンルールをまとめました。アイデアを育て、人とつながり、困難に打ち勝つ――。そうした力をつけて生きるヒントをつかんでください。
斬新なアイデアを生むブレインストーミング
世の中を変えるアイデアの多くは、人と人とが話し合う中で生まれる。問題は議論のやり方だ。議論には、よいアイデアが生まれやすい方法がある。
コミュニティデザイナーの山崎亮さんが考えるゴールデンルールは「人の意見をまずは肯定し、膨らませてみること」だ。
議論を通じてクリエイティブな作業をすることは多い。そんなとき効果的なのが、ブレインストーミングという手法だ。脳(=ブレイン)をかき回す(=ストーミング)ために、数人が集まってアイデアを出し合うことである。略してブレストともいう。
単に数人が集まってアイデアを出し合うだけなら、普段の会議や打ち合わせと同じではないか、と思われるかもしれないが、ブレストは、単に数人が集まって意見を言い合う場ではない。斬新で革新的なアイデアを出すことに目的を特化した場だ。
講師紹介
山崎亮(やまざき・りょう)
1973年愛知県生まれ。studio-L 代表、東北芸術工科大学教授。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『まちの幸福論』(NHK 出版)など。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。
未来塾では、東北各地の学生たちを対象に全角各地で行っているまちづくりのワークショップを実施。10年後に実現可能な夢の描き方を教え、学生たちは、それぞれに10年後の東北をプレゼンテーションした。
関連記事
- コンセプトは机の上で考えるな。日常に落ちている
アイデアは誰にでも出せるが、うまい人と下手な人がいる。その違いは、人より“アイデアが出るコツ”を知っているかどうか。この“コツ”とはいったい、どんなものなのか? - 新しいことをしたいなら、新しいことをやろうとしない
NHKで「サラリーマンNEO」や「あまちゃん」を担当したディレクターが、企画やアイデアの作り方、特に、新しいアイデアをいかに多くの人に受け入れてもらうか、そのコツをまとめました。 - エクスカーション――ノート1つで100個以上のアイデアを出す方法
さんざんアイデアを考えて出しつくして、もう出ない。そんな状況から、ノートとペン1本だけで、普通の人が更に100個のアイデアを創り出す具体的な方法を紹介しよう。 - SCAMPER法――「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法
午後から新製品を考える会議。ふと、メールを見返すと「1人3つアイデアを持ってくること」という指示――しまった、見落としていた。しかし会議まであと20分しかないぞ。こりゃまずい。 という時にうってつけの方法がある。 - アイデア出し会議で失敗しないために「ブレイン・ライティング・シート」
デュナミスは、会議でのアイデア出しなどに使えるツール「アイデア会議マスター01/ブレイン・ライティング・シート」を発売した。30分で108個のアイデアを出し、その後の30分で魅力的な3〜7個のアイデアに落とし込むためのツールだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.