会議室が不要になる日:たった15分で話がまとまる図解思考の会議(2/3 ページ)
人間の集中力が続くのはせいぜい20分程度。会議によるアウトプットを重視するならホワイトボード前での立ち話で終わらせるのが正解です。
DeNAやAppleに学ぶ意思決定スピードの速さと会議の創造性
競争力の源泉の1つは意思決定スピードの速さです。
DeNA創業者の南場さんは「AかBで迷うことに時間を使うよりも、どちらでもいいので早く決めてしまったほうが成功の確立が高くなる」といいます。ドッグイヤーとも言われる変化の激しい時代には、小さな会議でもっともっと早い意思決定スピードと創造的な議論に時間を割くべきです。
故スティーブ・ジョブズはアップルが時価総額トップの大企業になったときでさえ、ミーティングの参加者は最高に頭がよく創造的な最少人数で構成するべきだとこだわりました。アップルでは見物人のような参加者は排除されます。そんな人がいれば、おそらくジョブズから罵倒され、「部屋から出て行け」と言われるのがオチでしょう。
ジョブズとともに長年、広告クリエイティブを担当したケン・シーガル氏も、「プロジェクトの成果の質は、最終意思決定者がかかわる程度に比例し、かかわる人数の多さに反比例する」と結論付けています。
ホワイトボードとスマートフォン=最強会議の道具
3S会議に必要なものはホワイトボードとスマートフォンだけです。後は何もいりません。会議室もいらないし、立ってやるのでテーブルも椅子も入りません。参加者は全員ホワイトボードの前に立って、図で分類・分析し、図でアイデアをまとめます。
ちなみに、あの阿川佐和子さんの父親は、子供時代に彼女を叱るときに、わざわざホワイトボードに描いて、整理しながら叱ったそうです。ホワイトボードに図を描いて整理する手法は非常に論理的で客観的に物事を見る習慣をつけることができます。
スマートフォンは会議の最後に議事録代わりに写真を取るためのものです。議事録をとるのはつらいし、議論に参加できません。おまけに、あとから発言をすべて追うのも大変です。
スマホで撮影した写真を見れば、議論がどのようにまとめられたか、全体像がひと目で把握できます。「誰が言ったか」ではなく、「何を言ったのか」にフォーカスすることができます。
「立つ」という行為はそれ自体が集中につながります。人間は体のいろんな部位を使っている状態のほうが脳も活性化するのです。従って眠くなりません。おまけに人数も少ないので当事者意識も強くなり、意見も出やすくなります。受け身ではいられないのです。
米国の医療関連雑誌には「6時間座る人は3時間の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増加する」というショッキングな記事が出ています。これまでのように会議室の椅子にどかっと座って何時間も議論するのは、寿命さえ短くするおそれがあるのです。
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