あなたのストレス度を診断します:700万人メンタル不調時代に効く処方せん(3/3 ページ)
簡易的なストレスチェックでストレス度を測定してみましょう。自分自身では気付いていないことについて「気付き」が得られるかもしれません。
ストレスへの対処力はトレーニングで改善できる
ここでは「対処」という言葉を使っていますが、ものごとのとらえ方、考え方など認知面も含んだ概念です。
重要なのは、ストレス対処というのは「学習やトレーニングによってある程度改善することができる」ということです(認知行動療法という心理学による)。ストレスを感じたときに自動的に発生する「よくない思考や感情に流されないで正しい対処行動をとるための技法」というものはある程度体系化されていて、認知行動療法を取り扱うカウンセラーが得意としています。
会社でカウンセリング会社と契約していれば、気軽に相談してみてもいいと思いますし、また最近では日記帳形式で自分のストレス対処を振り返り、問題点を自分で振り返りながら正しい対処行動を身につけるためのワークブックのようなものも増えています。
ストレスへの対応は、仕事上のタスクと同じように問題解決の一連のプロセスととらえられます。解決すべき問題であるストレッサーに対して、自分なりの武器(ストレス対処法)を持ち、仲間とともに(ソーシャルサポート)立ち向かうということです。
ビジネスの場面において何かしくじる場合、ビジネススキルが足りないということ以外に、プレッシャーに直面して感情のコントロールができなくなり人間関係でもめてしまったとか、ストレスフルな問題から逃避して信用を失ったとか、メンタルに関する問題は意外と多いものです。
現代の職場では、ビジネススキルを学ぶことと同様、あるいはそれ以上に自分のメンタルタフネスを整えていくことが重要です。そのために定期的にストレスチェックを行ったり、信頼できる人物をメンターとして会話したりして、自分の心の状態を冷静にモニタリングし、課題があれば積極的に向上させていくということが必要なのです。
著者プロフィール:神谷学(かみや・まなぶ)
アドバンテッジリスクマネジメント 取締役 常務執行役員
東京大学法学部卒業、文部省(現文部科学省)入省。2001年にアドバンテッジリスクマネジメント入社。経営企画を中心に、メンタルヘルスケアや就業障がい者支援などの分野で現在の事業の柱を作る。
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