時間割を作って共有可能な時間を可視化しよう:ビジネスチームハック
「ご都合のよい時間帯をお知らせください」といわれて、パッと返事ができますか? 自分のスケジュールにどのくらいの余裕があるのかを把握するために「時間割」が役立ちます。
打ち合わせなどの予定を調整するとき、「佐々木さんのご都合のよろしい時間帯で」といわれることがあります。その申し出は大変ありがたいのですが、ちょっと困ることもあります。自分の都合のいい時間がいつなのか、それほど明らかではないときなどです。
これは何も「打ち合わせ」に限った話ではありません。特に忙しいときには、自分に都合のいい時間を見つけるのは困難です。だからといって、相手の人に決めてもらうというのは無理があります。自分でもいつが余裕があるか分からないのですから。
空いている時間を可視化するための時間割
1週間の中で、いつごろ余裕があるのかを可視化したい。そのために、筆者はGoogleカレンダーを使って翌週の月曜日〜金曜日の時間割を作っています。ここにあらゆる仕事や予定が詰まっているとは言えませんが、やらなければならないことはほぼこの中に収まっています。
もちろん、すべてが予定どおりに進むわけではありませんから、空白になっている時間帯があるわけです。というより、終わらなかった仕事や予想外の割り込み、新しい打ち合わせの予定などを入れるために「空白の時間帯」を作っているのです。
つまりここが「ご都合のよろしい時間帯」です。誰かに尋ねられたときは、時間割をパッと見て「白い部分」を返答するわけです。
動かせない「打ち合わせ」には移動時間も含めておく
時間割の中で赤色に塗られている時間帯は、訪問やSkypeを使った打ち合わせといった「予定」を表していますから、動かすことはできません。またこれらの時間の中には移動や準備のための時間も含まれています。ことさら目立つ赤色にしてある理由は、何よりも優先して「ここにピン留めする」という意識があるからです。
一方で、オレンジや青、緑、黄緑色などに塗られている時間帯は「タスク」です。これらは時間を動かせます。例えば、ブログ執筆やメンテナンスなどは時間帯を変えてもOKなものです。昼食を午後5時にとりたくはありませんが、そうしたからといって誰かの迷惑になるわけでもありません。筆者の裁量で決められます。
極端な話、赤色以外の部分はほかの時間帯に「どかす」ことが可能ですから、「ご都合のよろしい時間帯」としてもいいということになります。この時間割を使って「ほかの人のために使える時間」を明確にするために大切なポイントは、できるだけ厳密に時間割を埋めておくことです。「予定」だけでなく、移動時間や準備時間といった必要な時間帯もことごとく反映させておくことで、「空白の時間帯」が確実に使えるようになるわけです。
実行可能な時間割にする
いくら赤色以外の時間帯を自分の裁量で動かせるからといって、ある程度このカレンダーにそって実際に行動できなければ、時間割を組む意味はありません。そのため、筆者は時間割のベースにした行動記録を残しています。
行動記録はどうしても細かくなり見づらいものになりますが、「その時間帯に何をしたのか」が大ざっぱにでも把握できれば、その後も同じように行動できると推測できます。
もちろん調子のいい日もあれば悪い日もあるし、同じような仕事でもうまくいくこともうまくいかないこともあります。それでも毎回のように記録を残しておけば、だいたいの自分の傾向はつかめますから、だいたい正しい時間割を用意することもできるわけです。
筆者:佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。
著書に『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』『クラウド時代のタスク管理の技術』などがある。
ブログ「ライフハック心理学」主宰。
TwitterID:@nokiba
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