完璧をいきなり目指さない:「のび太」という生きかた(2/2 ページ)
遅刻や締め切りを守れるようになると、信頼が得られるようになります。とはいえ、いきなり完璧を目指すのも大変ですし、また、周囲もとまどってしまいます。ほどほどを目指すのが大事なのが分かる話を、ここで見てみましょう。
少しずつ理想に近づくことに意味がある
例えばあなたが遅刻常習犯だったら、たまに時間どおりに約束の場所に行っても「雨が降るかも」なんて冗談まじりで言われてしまう。ケアレスミスが多いと思われている人だったら、完璧に仕事をしても、上司から「きみ、今日変だよ」と言われたり、同僚に「誰かにやってもらったんだ」なんてちゃかされたり……。
せっかくちゃんと行動したのに、このような心ない言葉にがっかりした経験もあるかと思います。しっかり宿題をしていったのに、「きみ、おかしくなったんじゃないだろうね」と先生に言われてしまい、がっかりしてしまったのび太のようです。
「今のままではいけない」と思って、生活態度や心を入れ替えようと決めた経験は、誰にでも一度はあるかと思います。秋の新学期の初日には、ちゃんと夏休みの宿題をやっていこう、というのび太の心がけはじつに立派でした。
私も早寝早起きで規則正しい生活をするよう心がけていますが、仕事が計画通り進まなくて、ついつい日々の生活のリズムは乱れがちです。大学などでの講義の準備、論文の作成、本の執筆、自分で開設したホームページの更新にしても、当初の予定の半分もできなかったことは数えきれません。私と同じように、目標がうまく達成できなかったり、努力が続かなかったりする人は多いでしょう。
でも、それでいいんだと思います。現実と夢の間には大きなギャップが必ず介在しているものです。このギャップを一歩一歩埋めて、夢の世界に近づいていくことに、生きる意味があるのではないでしょうか。
ある日突然、いつもの姿とギャップのある理想的な姿に変身すると、のび太のように周囲を混乱させてしまうかもしれません。突然できる子になって宿題を完成させても信用してもらえず、むしろ嫌な思いをしてしまったのび太に対して、「あまり完全にやると、また、うたがわれるよ」とアドバイスしたドラえもんの言葉も的を射ています。
でもさすがに、現実ののび太をマネし過ぎて、打ち合わせに遅刻したり、大事な資料を忘れたり、見積もりを間違えたりしてはダメですけどね。
のび太メソッド1
完璧をいきなり目指さない
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