「NGになりました」:困ったときの“モノの言い方”(1/2 ページ)
依頼や提案を断るときには、相手が気分を害さず、納得するようなクッションフレーズが使いこなせるとよいでしょう。なにより大切なのは、あいまいに引き受けてしまわないこと。きっぱりと自分の意志を伝えつつ、相手を不快にさせない表現のストックを増やしましょう。
連載「困ったときの“モノの言い方”」について
本連載は、村上英記著、書籍『言い訳・口ごたえに聞こえない 困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。
理由を説明したり、反論したり、主張したりすると、「言い訳するな」「口ごたえするな」と思われそうだから、黙ってしまう。あるいは、とりあえず「すみません」と言ってやり過ごす――。
そんな人のために、心から謝罪し失敗を取り戻す“窮地を脱する言い訳"や、「言いにくいこと」を的確に、かつやわらかく伝える“角を立てない言い訳"を、「ふだんの言葉」から見つけられる辞典にしました。
「言い訳」はビジネスの必須スキル。相手と状況に合わせたフレーズを選べば、困った場面でも信頼関係が保てます。仕事で「やらかしたとき」こそ、きちんとした敬語と表現で切り抜けましょう。
仕事の提案を断りたいとき
「社内的な諸事情により、あのお話はなかったことにしてください」
ストレートに「なかったことにしてくれ」と断られても、気持ちのいいものではありません。
「社内的な諸事情」とすることで、個人には対応しきれない大きな原因があることをやんわり伝えます。
例:弊社の都合でたいへん恐縮ですが、あの企画はなかったことにしていただけないでしょうか。
「残念ですが、今回は見送らせていただくしかないようです」
相手に対して申し訳ないという気持ちがあることが伝わります。
「見送る」という表現を使うことによって、「今回はご縁がなかったけれど、別の機会にまた」といったニュアンスになります。
例:たいへん残念ではございますが、今回は見送らせていただくしかないようです。
「私の力不足のため、ご提案を実現させることができなくなりました。」
「私の力不足で」と一言入れるだけで、実現に向けて自分が努力したことを伝えられます。
このような場面では、自分も相手側に立ち、「私も残念でなりません」といった気持ちを伝えると効果的です。
例:私が至らないばかりに、大上さんからいただいたご提案を実現させることができなくなりました。
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