部下に「●●さん」と呼ばせる:マッキンゼー流“できる上司”の習慣(1/2 ページ)
マッキンゼーで働く人たちにとって、肩書きはあくまで単なる「役割」に過ぎません。肩書きが違うことは、役割が違うことを意味しています。「偉いかどうか」は関係ないのです。
集中連載「マッキンゼー流“できる上司”の習慣」について
本連載は、大嶋祥誉著、書籍『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。
「成功したければ、今すぐ、習慣を変えよ!」
どんなに高名なシェフでも、客を3時間待たせるわけにはいかない。数分、数十分の間に、最高の料理を出す必要がある。
世界最高のサッカー選手も、与えられる90分の試合で結果を出さなくてはならない。点が取れないからといって「あと10分延長してほしい」とは言わない。
プロフェッショナルとは、限られた時間の中で、最高のパフォーマンスを出す人たちのことだ。クオリティーだけを求めるのではなく、また、スピードだけを求めるのでもない。その両方を追求しながら最高のバリューを出す。これが一流の一流たるゆえんだ。
本書では、世界最高峰のコンサルティングファームで大切にされている39の仕事の習慣を紹介。マッキンゼー流で、仕事のクオリティーとスピード、両方を身につけろ。
まず、「肩書き」について、お話をしておきます。
私が在職していた当時、マッキンゼーで働く人たちの肩書きは、大きく分けると上からパートナー、マネージャー、アソシエイト、ビジネスアナリスト、の4段階に分かれていました。
パートナーとは役員のような位置づけ(共同経営者)に当たります。彼らのおもな仕事は、日本支社の経営と同時に、大口クライアントを獲得し、よい関係を保つことです。
マネージャーは、個別のクライアントを担当し、プロジェクト全体を統括する中間管理職のような立場です。
大学を卒業したばかりの新入社員は、まずビジネスアナリストという肩書きで、個別のプロジェクトで最も根本となるリサーチやデータ収集を行い、ときにはプレゼンテーションまでを任されます。そのなかでキャリアを積み、実績を上げた人がアソシエイト、マネージャーへと昇格していくわけです。
こうしてみると、マッキンゼーも日本によくある会社とそれほど変わらない組織のように感じられるかもしれません。しかし、いわゆる日本企業とはかなり文化が異なります。
マッキンゼーで働く人たちにとって、肩書きはあくまで単なる「役割」に過ぎません。肩書きが違うことは、役割が違うことを意味しています。「偉いかどうか」は関係ないのです。
新入りのビジネスアナリストでも、経営者であるパートナーを「さん」付けで呼びます。
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