この人の話なら最後まで聞いてみたい――そう思わせる話し方:表現のプロが教えるスピーチの兵法(1/2 ページ)
話を最後まで聴きたくなる人とそうでない人がいる、と感じることはありませんか? そのカギとなるのは、話し手の“個性”です。聴いてもらえる話し方のテクニックとして、個性を話し方のスパイスにするコツを解説します。
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本記事は企業実務のコンテンツ「表現のプロが教えるスピーチの兵法」から一部抜粋・編集して掲載しています。
会社名を例に固有名詞を正しく発音する大切さをお伝えした前回の話について、読者から体験談が届きました。今回は、まず、その体験談と間違いを防ぐ方法をご紹介します。
ついやってしまいがちな名前の間違いは2つ。
1つは漢字の勘違いによる間違い。後日談をくださった「岩松」さんは、よく「若松」さんと間違われるそうです。「岩」と「若」は字面だけ見ると似ているので間違えるかもしれません。2つ目は「山中」さんを「中山」さんと言ってしまうような、漢字を前後入れ換えて覚えてしまう間違い。これもありそうな例です。
両者に共通するのですが、これらの間違いは、名前を一度声に出して発音し、「ひらがな」で覚えるようにすると防ぐことができます。可能であれば、日常のやりとりをメール等の文字だけで済ませず、名刺交換をしたり電話で話したりして、声にも出して発音する場をつくりたいところです。
逆の立場からいうと、相手が名前を確認しやすいように、名刺の名前やメールの署名欄には、名前にひらがなで振り仮名を入れるか、ローマ字で読み方を書いておきたいものですね。
「まねる」のと同様に「まねされる」のも大事
“人に伝わる話し方”のテクニックとしては、人の興味を引きつけ、話を聴いてもらえる状況をつくることも大事です。そのために、皆さんにぜひ立ててほしい目標があります。「誰かに物まねをされるような人になる」ことです。
人に伝わる話し方のテクニックの1つとして、以前、「お手本となる人物を探し、その人の物まねをすること」をお勧めしました。そうすることで、適切な声の高さや話す速度の目安が分かるからです。
今回はその逆、自分が誰かに物まねされるような特徴のある表現を心がけることをお勧めします。
とりわけリーダーの立場にいる人の話は、「何を言ったか」「どのように言ったか」よりも「誰が言ったか」が重要です。この「誰が」の部分をつくる要素の1つが、他人に物まねされるような表現上の「個性」です。
個性は「言語表現・非言語表現」の両方でつくります(表)。少し詳しくみていきましょう。
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