もはや厄災!? 過去の栄光に守られたハザード上司:こじらせ! 上司図鑑(2/2 ページ)
イマドキの若いものは……なんて愚痴っている上司のみなさん、そんなあなたが“どう見られているか”考えたことはありますか? 厳しい就職戦線をくぐり抜けてきた若手社員の目は案外、厳しいようで……。
――: セクハラなどもありましたか?
川本さん: 今思い返せば、ハラスメントのデパートのような方でしたね(笑)。職場では覚えのないことで怒鳴りつけられて、「お前は本当に使えない」「オレが面倒を見てやらなきゃ会社に居場所はないぞ」というようなことを毎日言われていました。
お酒の席では、取引先と飲んでいる最中でも私のことをバンバン叩くんです。それはもう、先方が引くくらいに。接待の後にも強引に連れ回そうとしてくるし……。あと、酔っ払うと支離滅裂なメールを送ってくるんです。「オレじゃなくて他のヤツの言うことを聞いてたらぶっ殺す」とか。
――: ホントですか!?
川本さん: さすがに手を出され始めてからは「これは絶対におかしい……」と思って、コンプラに相談し始めて。最後の方は、毎晩のようにメールが来てました。理不尽に責められ続けると「私がダメだから、こんな状況になってるのかな……」っていう精神状態になっちゃうんですよね。相手に原因を求めても見つからないから(笑)。すごくつらかったけど、会社は辞めたくなかった。負けたくなかったんです。
――: コンプラに相談してからは、すぐに事は運んだのでしょうか?
川本さん: すぐに対応してもらえたわけではありません。向こうが逆ギレするタイプだから、こちらが派手に動いて逆恨みされるのが怖くて慎重に話し合いを重ねました。最終的には他の部の上長などにも協力をお願いして、大規模な人事異動のタイミングで去ってもらえました。
「めんどくせー」が口癖!? やる気ゼロの駄々っ子上司
――: 穏便に異動してもらえてよかったですね! 今の上司はどんな人ですか?
川本さん: 新しく来た課長は40代半ばの男性。高卒入社で現場からの叩き上げタイプという感じ。口癖は「あーめんどくせー」です(笑)
――: またアクの強い方が……!(笑)
川本さん: 上から仕事を振られたり、取引先から電話やメールが来たりするたびに「あーめんどくせー」と。1日100回くらいは言ってるんじゃないかな。私、入社してからずっと「職場で“めんどくさい”は禁句だ」と思ってやってきたので、あれだけ乱用されるとなんかもうカルチャーショックですよ(笑)。まあ、悪気はないんでしょうね。あと、出世する気もないんだろうと。
――: そうですね……。みんなが口に出さないようにしていることをはっきり言うところは、逆にすがすがしささえ感じますね。
川本さん: 初めは「どうしてこんなこと言うんだろう?」って真剣に悩んだんですが……気付いたんです、悩んでもこっちがすり減るだけだって(笑)。だから最近は「めんどくせー」って言われたら、「たーいへーん、でもお仕事ですからねー」って返してます。
――: なんかもう、小さな子供と話すようなやり取りですね(笑)。
川本さん: 自分が使わないようにしているネガティブな言葉を頻繁に耳にすると、それに引きずられて自分まで落ちこんじゃうんですよね。お願いだから巻き込まないでほしい……。
――: 人が変わっても、依然、問題はなくならないと……。
川本さん: それでも前に比べれば、何事も幸せに感じてるんです(笑)。これからも“未知の生き物”と接するような気持ちで、今の上司と向き合っていこうと思ってます。
次回、登場するのはメーカ勤務4年の土橋さん。いったいどんな上司が登場するのか……。お楽しみに。
関連記事
- 「あー、この上司めんどくせ」と思っているアナタへ
異動や転職で新しい環境に移り、この人とは合わない、この上司とはうまくやっていける自信がない――と悩む人も多いのでは。今回は相手の性格や考え方を把握し、コミュニケーションをスムーズに行うメソッドを紹介します。 - 何を目指して働くの? イマドキの大学生に聞いてみた
雇用制度、組織、働き方、キャリア設計が大きく変わろうとする中、今年も2016年度新卒入社の採用がスタートした。デジタルネイティブ世代のイマドキの若者は、“働く”ことを意味をどのようにとらえ、どんな働き方を理想と考えるのか。2人の学生に聞いた。 - 親身になって話を聞いているのに、部下の心が離れていくのはなぜ?
相手の気持ちを読んで会話をする――。スムーズな会話をする上で欠かせないポイントなのですが、これが意外と……というか、なかなか難しい話なのです。今回は相手の期待に応えるコミュニケーションについて考えてみます。 - “尊敬され続ける上司”であるために必要なこと
「あぁ、この上司、なんだか尊敬できないかも……」――部下が自分のことをこんな風に思っているのでは、と不安にかられたら、まず何をやるべきなのか。 - 「断られそうで誘えない」――“部下とのノミュニケーション”は死語なのか
「パワハラみたいに思われないか」「断られたらどうしよう」「仕方なくOKしているんじゃないか」――。部下と“飲みたいけれど誘えない”上司が増えているのはなぜなのか。その処方箋は。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.