自分の弱点を“強み”に変える3つのアプローチ:今日から自分プロデュース!(1/3 ページ)
誰でも「なかなか目指す姿になれない」ことに悩んだり、「やっぱり自分に向いてない」と弱気になることはあるはず。でも自信をなくすことはありません。弱点は強みに変えることができるのです。
「もっと自信を持ってメンバーを引っ張れる人間になってくれ」「他のアイデアが浮かんでこないものかね」「リーダーなら部下の成長にもコミットしなきゃ」
仕事をしていると、このように周囲からさまざまな期待をされることもあるでしょう。もちろん、自らこうした目標を立てて目指すケースもあるはずです。しかしそれは、今の自分ができていないこと。期待や目標になかなか届かないことに悩んだり、「自分には向いていない、むしろ弱点なのではないか」と苦手意識を持つ人もいるかと思います。
仮にそれが自分の弱点であったとしても、自信を失うことはありません。やり方次第で、それを自分の「強み」に変えることができるのです。
第3回では米ギャラップ社が提供している才能(資質)の診断ツール「ストレングス・ファインダー」を使い、自分の資質を把握する方法を紹介しました。とはいえ人間、強みとともに弱点もあります。自分の資質がマイナスに働いてしまう場面もあるのです(この連載ではそれを“ワナ”と呼びます)。
今回も引き続きストレングス・ファインダーを題材に、自分の強みとワナへの理解を深め、ワナを回避し、自分の弱点とうまく付き合う方法を紹介していきます。
自分の才能の傾向をざっくりと理解する
ストレングス・ファインダーでは、人の持つ才能を34種類に分類していることは前回紹介しましたが、その34種類には大きく4つの方向性があると言います。
まずは「実行力」。これは“達成欲”や“責任感”といった要素に代表される、物事を達成するエネルギーが強い資質です。
次に「影響力」。“活発性”や“社交性”など、周囲の人を巻き込み影響を与えようとするエネルギーが強い資質です。
3つ目は「人間関係構築力」です。これは他者と関わり、その関係性を強化する力です。チームをまとめる能力が強い資質と言えるでしょう。“調和性”“親密性”といった要素がこれに当たります。
最後は「戦略的思考力」。行動よりも思考にエネルギーが湧く資質です。データを集める“収集心”、それを分析する“分析思考”――そういった要素がこのカテゴリに当てはまります。この分類を利用することで、自分がリーダーシップを発揮する際に、どのように資質が生きるのかを知ることができます。
では例として、前回のお話でも登場したG編集長の資質を分類してみましょう。上位5位を見ると実行力が1つ、人間関係構築力と戦略的思考力が2つずつあります。一方で影響力の資質については上位10位に入っていません。
G編集長は「ぐいぐい引っ張るリーダーでありたい」という理想像になれない自分に苦しんでいた時期があったと言います。ストレングス・ファインダーの結果を見ても、影響力を主としたリーダーシップは難しいといえます。逆に自らの強みである、人間関係構築力を生かしたリーダーを目指すのが得策です。
影響力の資質は、自分が主体となって意見や指示を発信する傾向にありますが、人間関係構築力の資質は相手が主体となる内容が多いです。G編集長の場合、無理をして自分から相手に影響を与えようとせずに、相手を巻き込みながら、チーム全体のパフォーマンスを高めるリーダーシップが向いており、成果も出やすいでしょう。
もちろん、人間関係構築力の資質にもワナがあります。例えば“共感性”が強い人は相手の痛みを感じることを得意としますが、相手の痛みを自分の痛みとして捉えてしまい、ときに“参ってしまう”こともあるかもしれません。
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