自分の弱点を“強み”に変える3つのアプローチ:今日から自分プロデュース!(2/3 ページ)
誰でも「なかなか目指す姿になれない」ことに悩んだり、「やっぱり自分に向いてない」と弱気になることはあるはず。でも自信をなくすことはありません。弱点は強みに変えることができるのです。
自分のワナや弱みとうまく付き合う3つの方法
自分の強みとともに、ワナや弱みを理解して向き合うことは、自分の才能を柔軟に使いこなすためには避けて通れないステップと言えるでしょう。とはいえ、その必要性に自分が気づきにくいからこそ“ワナ”と言えるのです。ここでは、人が陥ってしまいがちな代表的な3つのパターンと対処法を紹介します。
ケース1:「何でこんなこともできないんだろう?」と感じる
対処法:自分の才能を振りかざしていないか、立ち止まって考えてみる
自分が得意な資質を相手が持っていないときや、自分の才能に無自覚だと起こりやすいケースです。
知人のAさんは飲み会や食事会のアレンジを得意としています。ある年の11月、部署の忘年会の店を予約しておくよう、部下に指示しました。しかし、待てど暮らせど一向に予約をする気配がない。しびれを切らして聞いてみると「いえ、まだです」と焦りも感じていない様子。そこで「店の予約は3週間前が当たり前」と叱りつけたのですが、部下は何だか納得がいかない顔をしていた……。そんなエピソードがありました。
Aさんの上位5つの才能は“コミュニケーション”“調和性”“自我”“個別化”“最上志向”。影響力の資質を3つ、人間関係構築力の資質を2つ持っています。人と親しくなり、楽しい会を開く――多人数の予定調整などを安心して任せられる人であることは想像に難くありません。
早くからしっかりと予定を調整して飲み会を仕切るのが当たり前、という自分にとっての“普通”は部下にはすぐにピンと来なかったようです。Aさんが持つ“最上志向”という資質は「よりよく」することが当たり前であるため、それを他者にも求めてしまいがちになるというワナがあるのです。
「この人はなんで、これができないんだろう?」と思ったら、まずは立ち止まってみましょう。そして「それは自分の基準が高すぎないか?」「相手に無自覚に高いレベルを求めていないか?」という可能性を考えるのです。己の才能を振りかざしているのでは? と自分に問いかけてみるといいかもしれません。
ケース2:「やっぱりできない……」と思い、落ち込む
対処法:自分を補完できるメンバーを探しましょう
自分ができないことを自覚したときに落ち込む、ということはよくあることです。しかし、人間は誰しもすべてのことができるわけではありません。自分の弱点を補ってくれる人を探してみるのも有力な手です。
ここではG編集長とIさんの例を紹介します。G編集長は人を育てるスキルセットを持つ人と言えます。人の才能を見抜き(個別化)、面白いところを集めて(収集心、アレンジ)、育てる(成長促進)のが得意なのです。問題が起きたらそれを解決しようとする資質“回復志向”も持っています。
ただ、その回復志向という資質は、細かな問題に目がいきやすくなり“問題ばかりに目が行くネガティブな人”というイメージを持たれてしまうこともあります。G編集長の場合、複雑であいまいな問題に相対すると、物事の全体像を整理できずに行き詰まってしまうことがありました。さらにその状態に陥ると、人が近づきにくい雰囲気になってしまうことにも課題を感じていました。
そんなとき、G編集長は部下のIさんの力を借ります。Iさんは戦略性とコミュニケーション、分析志向が上位5位に含まれています。G編集長が陥りがちな「タスクが山積みになっているとき、いろいろなアイデアは浮かんでいるのにそれぞれをうまくまとめられない」という場面で、もやもやとした考えを聞き出して分析し(コミュニケーション+分析志向)、効率的な打ち手を整理して伝える(戦略性+コミュニケーション)といったことができるのです。
そのうち、G編集長は物事の整理やロジックの構築といった仕事はIさんを中心とした他の人に任せ、自らは“人が成長する部署作り”といった得意な分野に注力することができるようになりました。このように、相互の補完関係を行える関係は、チームのパフォーマンスを飛躍的に高めるでしょう。
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