CATVインターネット完全導入ガイド(6/6)
費用はどのくらいかかる?

 CATVインターネット導入のためにかかる費用も,独特な体系となっている。

 まず,敷設済みのアナログ回線を流用するADSLに比べ,新しい回線を引くことになるだけに,初期工事費は高くなりがちだ。CATV事業者によってだいぶ異なるが,一戸建てで3〜5万円程度かかってしまう。集合住宅では,既にケーブルが引き込まれていたり,共用部分の工事費をCATV事業者や持ち主が負担したりする場合は,1〜2万円で済むこともある。ただ,CATV事業者の場合は,地域ごとにキャンペーンを行うことが多く,そういうときに加入すれば,工事費を安く済ませることができる。

 ADSLのように回線状況を調査したりする必要がないため,一戸建ての場合は,工事までかかる日数は,比較的少ない。ただし,集合住宅の場合は,工事前にほかの住民や大家などとの調整が必要になり,かなり時間がかかることがある。

 また,変わっているのは,解約時にも,数千円〜1万円台の撤去工事費がかかる点で,気をつけておきたい。

 一方,月額料金の方は,512Kbps以下で3000〜5000円。1Mbps以上で5000〜7000円。先に説明した通り,複数台のPCがある場合は,1台につき月額1000円程度の追加IP使用料金が必要になる事業者もある。CATVインターネットに接続するためのケーブルモデムはレンタルで,その費用は月額料金に含まれている。

 同じ同軸ケーブルを使用したサービス(テレビはもちろんのこと,最近では電話サービスを提供している事業者もある)と併用した場合は割引があり,また,既にCATVによるテレビ放送を契約している場合は工事費も割安ニなることが多い。

まとめ

 ADSLのように距離や配線収容状況によって,速度が大きく変わるということもない。バス接続のため,他ユーザーの影響を受けやすいという欠点はあるが,ADSLでも,最寄りのNTT局から先は他ユーザーと帯域を共有することになる。実際,時間帯などによって,ADSLでも平均転送速度がかなり落ち込むことがあるということは,周知の事実だろう。

 また,CATVインターネットの提供エリアは限られてはいるものの,全国に点々と存在するため,地方でも利用できる場合があるのは嬉しい。  問題なのは,サービスを提供するCATV事業者によっては,サービス内容や費用,制約などがかなり変わってくるという点である。実質上,1地域1事業者になっているため,ほかの事業者を選ぶことはできない。結局,CATVインターネットが“お薦め”かそうでないかは,自分のエリアの事業者次第ということになる。まずは,これまで挙げてきた項目について,サービス内容をよく確かめてみよう。

 もっとも,光ファイバー混合のシステムで,将来性という点では,かなりのアドバンテージをもっているのが,CATVによるインターネット接続なのである。

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[吉川敦,ITmedia]

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