カフェでBluetooth接続,B.L.T.実験がスタートBluetoothを使った“ホットスポット”がお台場と丸の内に登場した。無線LANではなくBluetoothを採用した理由はどこにあるのか?
国内では初となるホットスポットでのBluetooth接続実証実験「B.L.T.」(Bluetooth Launch Trial)が都内2カ所のインターネットカフェで開始された。B.L.T.は,日本エリクソン,丸紅,ハンドスプリングの3社がBluetoothによるローカルエリア情報提供サービスを検討するために設立したコンソーシアム(6月19日の記事を参照)。7月に開始されるはずだった実証実験は8月末にずれ込んだものの,27日よりお台場の「So-net/cafe」と丸の内「MARUNOUCHI CAFE」の2カ所で体験できるようになった。
使い勝手に課題実験で利用する端末は,PDAもしくはBluetooth搭載のノートPCだ。モニターが自分の機材を使う場合は事前に登録する必要があるが,so-net/cafeでは8月27日から2カ月間,MARUNOUCHI CAFEなら8月27日から31日までの間,現地で端末を借りることができる。今回訪問したMARUNOUCHI CAFEの場合は,10台のPDAを貸し出していた。PDAは,CASSIOPEIAとiPAQの2種類で,当初予定されていたVisorはない。
気になるスピードは,PDAでおよそ180Kbps,PCの場合で200〜300Kbps程度。ただし,柱の陰に入ったりすると接続が途切れるうえ,再接続する際には説明書が必要という状況で,使い勝手には少々難がある。「1クリックで接続できるようにする方針」(説明員)というが,できれば最初から用意してほしかった。 なお,今回の実験で使用しているBluetoothは,バージョン1.0b+CE(クリティカルエラッタ)だという。現在,市場には1.0b,1.0b+CE,1.1という3つのバージョンがあり,互換性が完全にはとれていない(4月24日の記事を参照)。1.0b+CEを使った理由は,エリクソンとして最新のデバイスだったからというが,「相互接続性の問題は1.1で落ち着くと見られることから,それに合わせて切り替える計画もある」(説明員)。
ビジネスモデルはこれからしかし,今回のようなホットスポットのビジネスを展開するなら,より高速で,遠くまで届く無線LANを利用するほうが遥かに効率的だ。あえて低速なBluetoothでストリーミング動画を見る理由はどこにあるのだろうか? 日本エリクソン事業開発本部営業本部長の鈴木寛氏は,「無線LANでは,まずPCがなくてはならない。訴求したいのは,携帯電話やPDAとBluetoothを組み合わせたときの手軽さ」と話す。狙いは,ノートPCによるインターネットアクセスではなく,今後Bluetoothの採用が進むと見られる携帯電話やPDAのようだ。 B.L.T.のビジネスモデルは,「大きなパネルなどをおいて広告を流し,その近くにBluetooth対応端末を持ってくると情報が自動的にダウンロードされる」(鈴木氏)仕組み。つまり,“アクティブポスター”などと呼ばれるプッシュ型の情報配信システムだ。 ユーザーは,路上や喫茶店で手軽に情報を入手し,その場で予約や購入もできる。B.L.T.は,クライアントから広告料や仲介手数料を得るほか,ホットスポットとなるカフェや店舗からも利益をあげる方法もある。実際,エリクソンの本社があるスウェーデンでは,空港内で携帯電話に搭乗時刻を配信するサービスなどが既に提供されている。鈴木氏は,「近い将来,同様の実験を国内でも実施する」とした。 関連記事 関連リンク [芹澤隆徳,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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