8Mbps ADSLの混乱は続く? アッカ&So-netの場合

一斉に8Mbps化へとなだれ込んだADSL。先陣を切ったYahoo! BBが事務手続きの不手際を指摘されたことは記憶に新しい。しかし,So-netとアッカの組み合わせも,予想を遙かに上回る申し込みと苦情の前に混乱しているようだ。

【国内記事】 2001年12月6日更新

 日本のADSLは,「Yahoo! BB」の登場以来,一斉に低価格化・8Mbps化へとなびいている。NTT東西地域会社も「フレッツ・ADSL」の8Mbps対応を発表,いまや「8MにあらずんばDSLにあらず」といった勢いだ。歴史の転換点ともいえる今年後半は,初期不良ならぬ初期混乱の嵐に見舞われた年でもあった。アッカ・ネットワークスのDSL回線を足回りとする,ソニーコミュニケーションネットワークの「So-net ADSL」も例外ではない。

問題アリ(?)の「ADSLモデム+ルータ」

 So-netが最初に採用したADSLモデムはNEC製だ。これは単なるADSLモデムだけでなく,ルータが同居している点が,目新しく,また厄介を生むことになる。ところが途中から富士通製も追加された。複数のユーザー掲示板を見ていると,11月22日頃から,送付されるモデムは富士通製が目立ってきた。何かあるなと,各プロバイダのモデム採用動向を探るべく,アッカのページを見た。ここに採用モデム一覧が載っている。

 なるほど,So-netは先ほど述べた通りだが,ほかのプロバイダの採用状況を見て軽く驚いた。NEC系の「BIGLOBE」はNEC製を採用せず,富士通製なのだ。NEC製モデムに問題でもあるのか?

 そうこうしているうちに動きがあった。11月24日の夜になって,8Mbpsの項目に掲載されていたNECモデムが消えたのだ。当初,削除した理由についてアッカからの説明はなかった。よほど大きな問題が生じ,慌てて処置したのだろう(現在は復活している)。これは,NEC製ルータの不具合を直すべく,11月21日に発表された新しいファームウェアが原因で,さらに大きな不具合を生じたからだ。アップデートを行うと,最悪の場合,全く接続できなくなる。

 So-netのサポートページにある「決してアップデートを行いませんよう」とは久しぶりに見るキツイ表現だが,ユーザーとしては踏んだり蹴ったり,大迷惑。これにより不具合が出た人は,富士通製モデムへの無償交換となる。

 アッカとSo-netに聞いたところ,アップデートをした人すべてが接続不能になるわけではないという。特定の条件下で作業をした場合だけで,数としては「少ない」。また,原因も「ある程度」は特定しており,新しいファームウェアの提供も検討中。接続できなくなった人には何の慰めにもならないけど……。

 筆者はどうしたかって? すぐにアップデートを済ませ,泣きを見たクチです。お調子者と呼んでください。

サポート電話,つながらず

 この「ユーザーサポート」ページにはルータ関連だけでも,かなりの数の不具合が報告されている。「ルータの電源を切ると再接続ができなくなる」,DHCPがうまく動作しない,DNSリレー動作不良,認証に時間がかかるなど。

 こんなに問題が頻発していれば,So-netサポートは話中が続き,機能不全状態になるのは当たり前だ。

 筆者の場合は,11月22日の開通予定だったが,NECモデムで接続できず,22日から24日にかけて何十回となく電話したものの,結局話中が続いた。関連の掲示板を見ると,So-netには未処理案件が滞留し,5日後の折り返し電話を待つハメになった人もいるとか。

低機能なルータは問題

 問題はそれだけではない。Windows XPに標準搭載された「Windows Messenger」が注目を集めているが,So-net ADSLのルータでは,これが使えない。Windows Messengerは,従来のNetMeetingとほぼ同様の機能,つまり文字でのチャットに加え,音声やビデオでもチャットができるのが魅力。一種のIPテレビ電話と考えてよい。

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[淀橋太郎,ITmedia]

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