アクセス回線としてのPHS「bモバイル」〜後編「bモバイル」の利用規約には「連続使用は最大で1時間」という項目がある。なぜこのような項目が設けられたのだろうか。
「使い放題」が大きな魅力のPHS通信サービス「bモバイル」だが,利用規約には1つの制限が記述されている。連続使用は最大で1時間,というものだ。そこには,有線インフラと同じ認識で使えない理由がある。 前編で述べたように,bモバイルのインフラはDDIポケットから月額3000万円でレンタルしているもの。同社のデータセンターに最大8MbpsのATM回線として引き込まれている。ベストエフォートとはいえ,バックボーンの帯域幅とかかる費用が決まっているため,「コストを定額にできる」(日本通信のCTO,中井純氏)。これが同社にとって最大のメリットだ。 コスト定額であれば,需要予測に従ってエンドユーザー向けのサービス料金を引き下げることが可能だ。その一方で,ユーザー数が予測を下回れば原価割れを起こしてしまう。同社のいう「数で勝負」とは,そうした意味だ。 同じくコスト定額にできる手段として無線LANが挙げられるが,こちらはサポートエリアが問題。今のところ,MIS(Mobile Internet Service)などの実験サービスを見守るしかない。 一方,FOMAや1xではNTTの交換網を通すため,パケット量に応じた利用料金がかかる「コスト従量」。したがって使い放題のサービスは難しい。
ネットは公共の道路?ただし,bモバイルではバックボーン帯域の上限が8Mbpsと決まっているため,同時に利用するユーザーが増えるとスピードの低下につながってしまう。例えば,「Webカメラを設置して128Kbpsの映像を常時流す,といった人がいると,ほかのユーザーに影響を及ぼす可能性が高い」(中井氏)。これを抑止するのが“連続利用1時間”制限の目的だという。 もちろん,Webブラウズ中に1時間が過ぎたからといって,いきなりセンター側から回線を切られるようなことはない。また同社では,長時間データを送り続ける用途に向けて,従量制の別メニューを設定することも検討している。 「今回は,Web閲覧などで使う“普通のユーザー”を集めたい。通信は公共の道路のようなもの,と捉えてほしい」(同氏)。 「使い放題」が最大の魅力のbモバイルだが,今のところ,有線系と同じ感覚で使うことは難しい。ある程度の“割り切り”も必要のようだ。
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