イー・アクセス,コロケーション問題に関する意見を改めて表明イー・アクセスは12月20日,NTT局舎内のコロケーション問題について,接続約款の改定を望む理由を改めて説明した。
イーアクセスは12月20日,NTT局舎内のコロケーション問題(11月20日の記事参照)における自社の立場とスタンスについて,報道関係者に向けて改めて説明した。19日に情報通信審議会の接続委員会が行った公開ヒアリングでは,NTT側の提出した接続約款改定案をめぐって各社が意見を交わしたが,同社は基本的に賛成の立場だ。現状維持を望むビー・ビー・テクノロジーなどと真っ向から対立していた。
左から代表取締役COO エリック・ガン氏,企画部長の庄司勇木氏
スペースは空いているようでも「NG回答」の理由イー・アクセス企画部長の庄司勇木氏は,まずコロケーションの現状について説明した。同氏によると,イー・アクセスが東京,神奈川などを含む首都圏の180局でコロケーション申請を行ったところ,うち124局でNG解答だったという。理由は,スペースや電源の不足だ。 しかし庄司氏は,NTT局舎内の写真を示す。そこにはDSLAMなどを設置するためのラック(棚)が並んでおり,中央に空きスペースが見える。「NG回答を受けた4つの局舎を調査したが,いずれも空きスペースはあった。NTTからは,60〜80ものラックが置けるスペースを特定の事業者が予約していると説明された」 ここでいう特定の事業者とは,Yahoo! BBに回線を提供するビー・ビー・テクノロジーを指す。同社は,1収容局あたり数万回線を収容できるだけのスペースを先行予約。このため,ほかの通信事業者によるコロケーションが困難になり,イー・アクセスでも「このままでは,2002年の2〜3月頃にはサービスに影響する」と予測している。 「実際に局舎内を見た限りでは,場所だけ押さえた印象をうけた。置かれていたラックの中でも全てが稼動していることはなかった」(庄司氏) COOのエリック・ガン氏も,「ある局では収容加入者回線数が約5万。しかし特定の事業者は,こちらの試算では6万回線分のスペースをおさえている。その必要性を疑問に思わざるを得ない」と話した。
3点に賛成の立場イー・アクセスが接続委員会で示された改定案のうち賛成しているのは,“コロケーションを保留(予約して押さえる)できる期間を6カ月間に短縮する”“コロケーション工事期間を有償化する”“こうした規制を既申し込み設備についても適用する”の3点。 コロケーション保留期間が短縮されれば,半年後には実際に利用されていないスペースが開放される。これを前提に,NTT側はフレッツ・ADSL用に確保していたスペースを他社に提供することも検討しているという。「実現すれば,少なくとも来春の危機は回避できるだろう」(庄司氏)。 また,工事期間の有償化は「工事を意図的に長引かせることのないようにする」(同)のが狙い。最後の項目は,ビー・ビー・テクノロジーが多くのスペースをおさえている現状を打開するのが目的だ。 ただし庄司氏は,これで解決できる部分は全体の一部に過ぎないと話す。「この問題に関して,総務省はただ,NTTの報告を聞いているだけに見える。もっと第三者として調査するなど,指導力を発揮してほしい」。
規制緩和の目的に沿うようにイー・アクセスはこうした「実需に基づかない非現実的な申し込み」(同社)について,規制緩和そのものの目的を変えることになると主張する。 「アメリカでもコロケーションに関する規制緩和はあったが,こうした事例はなかった。もともと空いているスペースを有効に利用すべく行われたのに,ルールを逆手にとって他社の事業を脅かすことがあってはならない」(ガン氏)。 この問題については,明日21日に開催される情報通信審議会電気通信事業部会の後で,今後の方向性が示されると見られている。イー・アクセスは,事業者間の公平性と有限設備の有効利用が確保されるルールが策定されるべき,と求めていた。
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