日本と韓国の違いはインフラだけ?〜Nielsen//NetRatings調査インターネット利用で先行する諸外国,とりわけ韓国と日本の違いはどこにあるのだろう。Nielsen//NetRatingsの調査結果が語る客観的な要因とは?
インターネットの平均利用時間が日本の2倍という韓国。その理由については,「国民性」や「コンテンツの有無」などを指摘する声もある。しかし,Nielsen//NetRatingsの調査は,単純に「インフラ」の差という結果を導き出した。 Nielsen//NetRatingsは,1月30日より,ブロードバンドの普及状況や利用状況を明らかにするマーケティングツールとして「IMS」(Internet Media Strategies」をラインアップに加えた。これは,自社の持つ1万世帯のサンプルの中でブロードバンド環境への移行が進んでいることを受けたもの。従来のインターネット視聴率情報サービスのオプションとして提供する予定だ。 同社では「ブロードバンド」を「常時接続で128Kbps以上の速度が出る環境」と定義している。
韓国のインターネット平均利用時間は日本の倍印象的なのが,ブロードバンド先進国と言われる韓国の月間Web利用時間だ。最新の2001年12月度データを例にして各国の平均利用時間を比較してみると,日本が約9時間,米国が約10時間であるのに対して,韓国はなんと19.5時間。実に倍以上の数字となっている。
「しかし……」と同社ビジネスディベロップメントインタラクティブアナリティクスの須藤修司チーフアナリストは続けた。「その韓国でさえ,アナログユーザーでは約6時間半だ」。日本でもナローバンドユーザーの平均利用時間は約6時間であり,その差は少ないと指摘する。 対して,日本のブロードバンドユーザーは全体の約17%だが,ナローバンドユーザーと比較して,1人あたりの月間平均利用ページ数は約3倍,Webの月間平均利用時間は約2倍の17時間45分に上るという。 この平均Web利用時間をインフラ別にみると,専用線環境で約19時間,CATVで約16.5時間,xDSLでは実に約21時間と韓国の数字(約20時間)を上回る。さらに,月間利用頻度でも日本のxDSLユーザーは32.77回と米国(31.75)や韓国(27.63)を超えた。 「これらのデータから,日本と韓国の違いは,単にインフラの普及状況によるものだと分かった」(須藤氏)。したがって,日本でもインフラが韓国並みに成長した場合,同じように利用時間や頻度が向上すると予測できるとしている。
回線種別インターネット利用状況(一人あたりの月間利用時間)
まだまだ過渡期!?一方,日本のブロードバンド市場がまだ成熟していないことを示すデータもある。ドメイン別のブロードバンドユーザー訪問比率だ。これは,単なる訪問者数ではなく,そのサイトを訪問した人の中に占めるブロードバンドユーザーの割合が高いドメインをランキング化したもの。 結果は,「musen-lan.com」「junkhunt.net」「broadland.jp」がトップ3。いずれも回線速度の計測コーナーを持っている。「ADSLを入れたら回線速度を計ってみたくなるのが人情だが……」(須藤氏)。CPUのベンチマークと同様,まだまだマニア層が多いということか。逆にリッチコンテンツのポータルサイトなどがランクインしていない点も,過渡期を示す材料に思える。 IMSは,このほかにも日本における地方別のインターネット利用状況やドメイン別のランキング,ドメイン内のディレクトリ別利用状況など,ブロードバンド・ナローバンドを比較する材料を多く提供する。調査資料の料金は500万円程度。顧客の要望にしたがったカスタマイズにも応じる。
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