ウワサの“情報家電モデルハウス”を見てきました多摩ニュータウンの一画に「情報家電モデルハウス」(略称:JEITAハウス)が登場した。ビールやお米の「自動発注システム」,「雨検知物干しシステム」など,ユニークで実用的なアプリケーションを多く見ることができる。
多摩ニュータウンの一画。緑も多く残る閑静な住宅街に,情報技術の粋を集めた電脳住宅が登場した。社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の「情報家電モデルハウス」(略称:JEITAハウス)だ。 JEITAハウスは,同協会が3年計画で取り組んでいる「住宅分野の情報システム共通基盤整備推進事業」の一環として企画されたもの。家庭内のネットワーク化を「メーカーの視点ではなく,生活者の立場でまとめた」(JEITA特定プロジェクト推進室の杉原義得担当部長)のが特徴で,ボタン1つでホームシアターの準備が完了するリビングや,ビールやお米の「自動発注システム」,「雨検知物干しシステム」など,ユニークで実用的なアプリケーションを多く見ることができる。
JEITAハウスは2月1日より一般公開(予約制)されるが,これに先だって報道関係者向けの説明会が行われた。一足早くご案内しよう。
IT庭は携帯電話で水をまくまずは,小さな花壇とかわいい犬がいる庭。一見,何の変哲もない庭のようだが,実は携帯電話から撒水や給餌を行える「ITガーデン」だ。少し見難いかもしれないが,写真(中)では,携帯電話のWebブラウザで自宅のコントロール画面にアクセスし,水を撒いている。
Webカメラにより,外出先からでもペットや花壇の様子を把握しつつ,世話ができる。でも,犬はちょっと寂しいかも。
鍵穴のない玄関
玄関にはCCDカメラが設置されている。不在時には,カメラの映像をホームサーバ内のHDDに録画したり,画像付きで携帯電話に通知したり,といったことが可能だ。
玄関のドアには,鍵穴はない。家のなかに入るには,まず宅配ボックスの上にある接触型の個人認証システムにボタン型のIDキーを押し付け,認証を行う。さらに,ドアには指紋認証システムに指を置く必要がある。2段階の認証をクリアして,初めてドアロックが解除される仕組みだ。
ドアを開けると,AIBOがお出迎えしてくれる。個人IDによって帰宅した人を判断し,ウェルカムダンスを踊る……のだが,残念ながら撮影時は休憩(充電)中だった。
かけ声1つでホームシアター宅内に入ってまず目に付くのが,ほとんどの部屋に設けられた「コミュニケーションボード」と呼ばれる端末だ。カメラ&液晶パネル一体型で,家庭内TV電話としての機能に加えて,音声認識を使った家電操作もできる。例えば,「電気を点ける」といった自然な音声コマンドで操作可能だ。予め学習させる必要もない。
また,リビングや書斎にあるホームシアターシステムでは,音声コマンド(あるいはボタン1つをクリックする)だけで,AV機器を立ち上げ,カーテンを閉め,さらに照明をダウンしてくれる。
複数のネットワークが混在宅内には,大きく分けて家電を制御する「ECHONET」とAV系のIEEE 1394ネットワークが敷設されている。とくに,コミュニケーションボードなどの動画を伝送する必要から,1階と2階をつなぐ形でプラスティック光ファイバー(POF)を媒体とするIEEE 1394ネットワークが敷設された。伝送速度は400Mbpsだ。
これらに加え,もう1つの重要なネットワークがある。「1-Wire devices」(ワンワイヤーデバイス)と呼ばれる技術だ。これは,カナダのMaxim Integrated Products, Inc.(もとのDallas Semiconductor)が開発したもので,家の中に張り巡らせたツイストペアケーブルを使い,固有IDを持ったさまざまな機器に対して,オン/オフなどの簡単な操作を行うことができる。 大阪に本拠を置くモバイルテクノロジーズは,これをNTTドコモのiモードおよびJ-フォンの携帯電話に対応させ,JEITAハウスに導入した。各機器には同社の設置した宅内サーバ〜インターネット上のWebサーバを経由して,携帯電話などから確認・操作する。庭にあった自動撒水システムや自動給餌システム,玄関のIDキーなども,実は1-Wire device技術を使ったものだ。
1-Wire deviceは,シンプルなプロトコルながら「入力と出力の両方が可能」(モバイルテクノロジーズの岩崎剛氏)というメリットがある。つまり,接点のオン/オフを検知するほか,オン/オフの信号を(機器に対して)送ることができるわけだ。 その応用例がこちら。ベランダに設置したセンサーが雨を検知すると,電動式の巻き取り型オーニング(覆い)が自動的に降りてきて洗濯物を守ってくれる。その名も「雨検知物干しシステム」だ。
その下は,キッチンにある自動発注米櫃(こめびつ)だ。中にセンサーが仕込まれており,お米の量が少なくなってセンサーに触れなくなると,サーバがお米屋さんの携帯電話にメールを飛ばす。
同じく,冷蔵庫内のビール自動発注システム。ビールが3本以下になると接点がオフになり,酒屋にメールを出す仕組みだ。なお,端末と宅内サーバの通信には,Bluetoothが利用されている。
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