ウワサの“情報家電モデルハウス”を見てきました
特注電脳勉強机のある風景
2階には,書斎やキッズルームがある。「特注電脳勉強机」とは,あまり近寄りたくないネーミングだが,実は収納とデスクスペースを両立した機能的なインテリアだ。扉を閉めると,ツライチ(フラット)になり,部屋の空間を有効に利用できる。 この勉強机をはじめ,書斎にあるITデスクなどの特注家具は,すべて環境建築総合研究所の一級建築技士,大藪元宏氏の設計によるもの。情報家電を効率よく収納し,狭い日本の家屋を広く使うための提案だという。もちろん,ネットワーク技術とは全く関係ない。
夜中のトイレも怖くない同じく2階にあるシニアルームでは,介護用のIT技術をみることができる。生体情報検知器の開発・販売を手掛けるアメニテックスは,介護用ベッドに横隔膜の動きを検知するシステムを導入。同社の山崎房一代表によると,心停止状態になると横隔膜の動きも止まるため,心臓に疾患を持つ人の介護などに利用するという。
仮に横隔膜の停止が検知された場合は,廊下に設置したスピーカーで警告するとともに,予め設定した携帯電話に通知する仕組みだ。 また,ホームネットワークが利用者の生活パターンを分析し,人の代わりに処理を行う「エージェントシステム」のデモンストレーションも用意された。例えば,音声認識システムに向かって「トイレにいく」と言えば,エージェントがトイレまでの照明が点灯し,便座ヒーターのスイッチを入れる。これにより,足下の安全を確保すると同時に,脳溢血などのリスクを低減させることができるという。
今そこにある? 情報家電ハウスJEITAハウスは,実用化段階に近いホームネットワーク技術と情報家電を使い,将来の住宅を形作った。実際,採用された情報家電の7割近くが,既に販売されているか,もしくは間もなく商品化されるものだという。 しかし,少し気になる点もある。例えば,公衆インターネットと家庭をつなぐゲートウェイだ。ホームネットワークのセキュリティを確保するためにファイアウォール機能などを持つゲートウェイが欠かせないが,JEITAハウスではネットワークを統括するゲートウェイが置かれていない。実際は,「各社の開発方針に違いがあったため,セキュリティ面は各参加企業に任せる形になった」(JEITA事務局)というが,個々の製品や技術に比べて,セキュリティ面のアピールに物足りなさを感じたのも事実だ。 もう1つはIPアドレス。今回,JEITAハウスのインターネットアクセス回線には多摩ケーブルネットワークが協力しているが,事務局によると「無理を言って固定IPアドレスを14個分けてもらった」という。たとえ情報家電が製品化されても,今のインターネット接続サービスでは,ホームネットワークに対応するのは難しい。IPv6の必要性を感じさせるエピソードだ。
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