「digi-KISHINは時間の断片。それは無限の広がりを持つ」――篠山紀信氏

小学館は2月4日,マスコミ向けにdigi-KISHINの公開上映会を行った。会場には篠山紀信氏のほか,モデルとなった白鳥智恵子さんも駆けつけた。

【国内記事】 2002年2月4日更新

 小学館は2月4日,同社が提供するブロードバンドコンテンツ「digi-KISHIN」(12月28日の記事参照)のマスコミ向け公開上映を行った。会場では篠山紀信氏が登場して解説したほか,モデルとなった白鳥智恵子さん,ディレクターの宮坂淳氏,コンテンツに音楽をつける作曲家の清水靖晃氏といった面々も登場した。


壇上に立つ篠山紀信氏。「digi-KISHINは動く写真。見る人の心が動かしている」

 紀信氏は自分の作品について,「digi-KISHINには,ストーリーもなければ,テーマもない,お説教もない。そのぶん,自分の気持ちが入る隙間がある」とコメント。PCで視聴するという形態についても「パーソナルなものだから,なおさら女優さんたちと心の交歓ができるのではないか」と評価している様子だ。

 同氏は,喜多嶋舞さんをモデルとした作品について「もともとはハワイで写真集のためのロケをしたところ,事務所の社長がこれをもとにdigi-KISHINを作れ,と無理に言ってきた」というエピソードを披露。芸能関係者もdigi-KISHINに興味を持っていることを示した。


左から,作曲家の清水靖晃とディレクターの宮坂淳氏。紀信氏の作品を壊さないようなコンテンツ作りに気を使ったという


コンテンツ内でモデルを務めた白鳥智恵子さん。撮影体験を聞かれて,「なにしろ片方のドアを開け放したヘリコプターに乗って,裸になるというのは初めてだったので……」とコメント,会場を笑わせた

 digi-KISHINの会員数は現在,「4700人前後」(小学館の尾崎靖プロデューサー)という。これは前回の取材時に聞かれた「7000〜8000人でペイする」という見込みからして,極めて順調な推移だといえるだろう。

 ただ,多少の課題はある。今回,小学館側が上映会を開いた理由の1つは,「せっかくのコンテンツを視聴できない」という声が多かったことにある。digi-KISHINは既報のとおり,Macユーザーは視聴できないほか,相回線速度やPCのスペックも相応のものが要求される。このため関係者からも「見たいが,見れない」との声が多く寄せられたようだ。

 ともあれ,会場にマスコミが多く集まったことから見ても,同コンテンツに人の注目を引きつける力があることは確か。2月9日現在では,60作品がオンラインで用意されているという。


上映会後の懇談会で。白鳥さんは胸元の開いた大胆な衣装のまま現れ,華をふりまいた

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[杉浦正武,ITmedia]

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