次の主戦場は“教育”〜アットホームジャパン廣瀬社長

学校には無償で教育コンテンツを提供し,一方で資格検定や生涯学習に向けたコンテンツを有償化する。インターネット接続とコンテンツ配信が,ともに収益の柱となる「教育チャンネル構想」とは?

【国内記事】 2002年2月28日更新

「ちょうど今日,米国のExcite@Homeが事業を停止した」。パシフィコ横浜で開催中の「IP.net JAPAN 2002」2日目,アットホームジャパン廣瀬禎彦社長の講演は,親会社の悲報から始まった。

 もっとも,その口調は完全に普段通り。既に全サービスを国内に移している同社にとって,Excite@Home事業停止の影響は全くないという。状況を簡単に説明したあと,廣瀬氏は同社が進めている「教育チャンネル構想」に話を移した。

 教育チャンネルとは,学校と家庭の両方を対象とした教育コンテンツサービスだ。学校には無償で教育コンテンツを提供し,一方で資格検定や生涯学習に向けたコンテンツを有償化する,というのがコンセプト。もともと,地域密着型のCATVは,ADSLなどに比べると利用者の幅が広い。あらゆる年齢層を対象にできる利点を活かしたサービスといえるだろう。

 同社では,既に公開されている「総合百科事典サービス」「早稲田大学公開講座」に加え,今春にも「教育ニュース」「中学生進路適正診断」「手話ウィークリーマスター」といったコンテンツを無償提供する予定。

 その後,有償コンテンツとして,中学校の英語教科書に準拠した教材をはじめ,「TOEIC検定講座」「早稲田大学公開講座」「京都造形大学通信教育講座」などを順次追加していく。有償コンテンツは,月額500円程度のものから1講座2万円台のものまで,幅広くそろえる計画だ。


アットホームジャパンの「教育チャンネル構想」

「就学児童向け教材,資格検定,生涯学習の3ジャンルを付加価値(有料)として提供する。とくに生涯学習では,講座の終了認定書を発行し,将来的には大学の単位取得と同様の扱いになるようにしたい」(廣瀬氏)。

1000校を超えるのも間近

 もともとTVの難視聴地域救済策として発展してきたCATVは,地方自治体が出資する第3セクター方式の事業者が全体の3割が占めている。このため,e-JAPAN戦略のもとで全国一斉に公立学校のインターネット接続が進められる中で,地元のCATV事業者に声がかかることも多い。

 実際,アットホームジャパン傘下のCATV事業者は,「@NetSchool」というブランド名で全国500校にインフラを提供済み。「昨年4月には,わずか96校だった。(進行中の案件を考慮すると)1000校を超えるのも間近だろう」(同氏)。

 小中学生にとって,学校と自宅で同じコンテンツを利用できる点は大きなメリットだ。ただし,同社が学校に無償でコンテンツを提供する背景には,「インターネット接続の設備に対しては予算が出るが,コンテンツには出ない」という,いかにも“お役所的”な予算計画に対応する意味もある。家庭向け接続サービスを後押しする事業だけに,無償でもコンテンツをバンドルする価値があると判断した模様だ。

身近な課題

 教育分野を足がかりとして,地方への浸透を図るアットホームジャパン。将来的には,単なるインターネット接続に止まらず,CATVを地方の情報インフラとして活用する構えだ。廣瀬社長自身,頻繁に地方を訪れ,交渉に参加しているという。

 しかし,課題は意外と身近なところにあった。

 「問題なのは,当のCATV会社の意識だ。“自分達は放送事業者である”と決めつけ,SI的な仕事などできないと思いこんでいる。場所によっては大きなギャップを感じた」。

 歯に衣着せぬ“廣瀬節”は健在だが,この問題は少しばかり根が深そうだ。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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