LifeStyle：Webサイト利用動向調査もブロードバンド対応――米RedSheriff

Webサイト利用動向調査もブロードバンド対応――米RedSheriff

Webサイト利用動向調査の米RedSheriffが，日本市場でのサービスを強化する。世界に先駆け，ストリーミング測定サービスを導入した。

【国内記事】 2002年3月13日更新

　ADSLの急激な普及にともない，ブロードバンドコンテンツ市場にも大きな注目が集まるようになっている。だが，盛り上がっているのはコンテンツ事業者だけではない。Webサイト利用動向測定サービスの米RedSheriffは，「ブロードバンドコンテンツが立ち上がるのはまず日本」と判断。全世界に先駆け，日本市場向けにストリーミングコンテンツ測定サービスを投入した。

　RedSheriffは，欧米を中心に683社のクライアントを抱えている。日本では2000年1月にビデオリサーチネットコムを通じて製品の販売を開始。同年8月に日本法人を立ち上げた。来日中のRedSheriff CEO（最高経営責任者）のRichard Webb氏に日本市場における戦略を聞いた。（聞き手：中村琢磨）

米RedSheriff CEOのRichard Webb氏（左）とCFOのBill Robinson 氏

ZDNet：ストリーミング測定サービスとは？

Webb：ストリーミングコンテンツに対し，ユーザーがアクセスしていた時間を測定するものです。ライブ配信の場合は，平均滞在時間とユニークユーザー数，オンデマンド配信の場合はこれに加え，セッション数が分かります。

　結果はレポートで表示されるのですが，われわれのサービスの特徴として，「30分以上の滞在」を含む場合の平均，含まない場合の平均を算出するようになっています。これは，ブロードバンドコンテンツが30分以上も視聴されるのは稀なことで，その場合，何らかの不確定要素が混ざっている可能性があります。ですから，正確なデータを取得するためにこのような区分けを設定しているわけです。この滞在時間の測定技術について，われわれは特許を取得しています。

　また，滞在時間を計測することで，ストリーミングコンテンツの広告価値を正当に評価できるようになります。以前，テニスのウィンブルドンのライブ配信を行った米IBMは，「ライブ映像を見た時間が2分でも2時間でも，広告料金はそのWebページのページビューで決まってしまう。映像が2時間視聴されたなら，広告価値はもっと高いはずだ」と不平を漏していました。

ZDNet：ストリーミング測定の手法には，何らかの規格があるのですか？

　現在，業界団体のIAB（Internet Advertising Bureau）では，この1月にインターネット広告の測定手法について新たなガイドラインを示しました（1月16日の記事参照）。私も話に参加しているのですが，2002年末までには，ストリーミングやワイヤレス，Flash広告についても，新たな指標が策定されることになると思います。

ZDNet：なぜ，日本で最初にストリーミング測定サービスを導入したのですか？

Webb：われわれが，最初にこのサービスを日本で開始したのは，ADSLなどブロードバンドインフラが急激に整備されているからです。また，世界の中でもブロードバンドコンテンツ市場がに対して日本ほど積極的な市場はありません。RedSheriffでは，ストリーミング測定サービスが主力製品になると考えており，日本市場は重要な位置にあります。なお，このサービスについて既に，あるラジオ局がクライアントになっています。

ZDNet：Nielsen//Netratingsもブロードバンド利用者動向調査を提供していますが？

Webb：われわれのサービスと，Nielsen//Netratingsのサービスは基本的が性質が異なるものです。RedSheriffのサービスは，特定のWebサイトについて，訪問者がどのように行動したか調べるものです。一方，Nielsen//Netratingsのほうは，パネル調査により，インターネット市場全体の動向を見るものです。直接的な競合ではありません。

ZDNet：では，顧客がRedSheriffのサービスとNielsen//Netratingsのサービスの両方を使うことも可能なわけですね。

Webb：それはないと思います。というのも，国内ではビデオリサーチネットコムと協力しているように，RedSheriffはサービスを提供しているそれぞれの市場で，大手のテレビ視聴率調査会社と提携しています。さらに，今月中にデータマイニングサービスも開始する予定です。ブラウザベースの利用者動向，パネル調査によるデータ，ならびに顧客から提出してもらうサーバログをマイニングできるようになれば，Nielsen//Netratingsよりも大きな提案ができるはずです。

（文中敬称略）

[中村琢磨，ITmedia]

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