NTT「電話回線の線路情報」のススメNTT東西地域会社が公開した「電話回線の線路情報」は,地図情報をもとにした従来の距離検索とは一線を画すものだ。サービス開始と同時にFAQも公開されたので,詳しく見てみよう。
NTT東西地域会社が「電話回線の線路情報」を公開した(昨日の記事を参照)。これまでも,各ADSL事業者が地図情報をもとにした独自の線路情報を提供していたが,今回は少し違う。15日になってFAQなども公開されたので,詳しく解説してみたい。 従来の線路情報検索と異なる点は,これがNTTの「ケーブル設備等の整備情報」を元にしている点だ。机上の計算値には違いないが,これまでの地図データから算出した「直線距離」「道なりの距離」などとは一線を画す。 情報データベースは,もともとADSL事業者などに有償で提供されていたものだが,個々の問い合わせに対してその都度料金が発生するという煩雑な部分があった。このため,接続約款の変更に合わせて一般ユーザーが直接検索できるシステムを構築した。情報提供に係る月額1119万5000円の費用は,接続協定を交わしている事業者(ADSL事業者)が毎月の契約件数に応じて負担する仕組みだ。 NTT東日本では,「エンドユーザーが直接アクセスできるようになれば,各ADSL事業者もNTT地域会社もサポートの省力化に繋がる」と話している。
サービス選択の材料に線路情報開示システムを利用できる時間は,NTT東西ともに平日の午前8時から深夜0時まで(年末年始,祝祭日を除く)。通信を暗号化する必要から,対応するWebブラウザは「Internet Explorer 5」以上に絞られている。なお,利用の際は,ブラウザのセキュリティレベルを「中」以下に設定しておく。
表示される結果は,「線路距離長」と「伝送損失」の2つ。線路距離長は,エンドユーザー宅とNTT収容局の線路長。伝送損失は,DSLサービスの品質評価に用いる160KHz電気信号の劣化を計算した値となっている。伝送損失が大きくなるほど信号は届きにくくなり,通信速度は低下する。 算出された数字は,ユーザーが8Mbps(G.dmt)サービスを利用するか,1.5Mbps(G.lite)サービスで十分なのかを判断する材料にできる。イー・アクセスが公表したフィールドデータ やアッカ・ネットワークスの「距離別おすすめサービス判定」を併用すれば,よりイメージが掴みやすいだろう。 線路距離長で3500メートル以下,伝送損失値が45デシベル(dB)以下が8Mbpsサービス導入の目安だ。なお,アッカなどは8Mbpsサービスを選択する場合は,「目安としてNTT収容局からの距離が2000メートル以下」としているが,これは直線距離を前提としているため。
結果が出なくても,諦めてはイケナイ検索結果が表示されない場合は,以下のような可能性がある。
1. 引っ越したばかりでNTTのデータベースに新しい電話番号が反映されていない 特別なサービスを受けていないのに結果が出ない,という場合は2番の可能性が高い。しかし,線路の途中が光化されている場合でも,その区間にメタル線が残っていればADSLサービスは可能だ。結果が表示されなくても諦めることはない。 情報を閲覧できるエリアは下記の通り。NTT西日本エリアの提供時期には差があるが,基本的には日本全国が対象となる。もちろん,「フレッツ・ADSL」が提供されていない場所でも検索できる。
重ねて強調しておかなければならないのは,ここで提供される線路距離も,あくまで計算による参考値であること。実測値ではないため,良い結果,悪い結果にかかわらず,実際にADSLを導入したときとは数字が異なるケースがある。
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