Big Pipe:ブロードバンドユーザーの心理学(2)前回紹介した「Diffusion Process」によるユーザー分析をもとに,注目のユーザー層にフォーカスする。ブロードバンドユーザーは,時間の経過とともに,多様なサービスを求めるようになる。
今回は,前回のコラムで紹介した「Diffusion Process」のマーケットグループに分類したブロードバンドユーザー分析をもとに,今後注目すべきユーザー層にフォーカスして見ていきたい。
コンテンツ事業者が注目し,取り込もうとしている“次世代の”ブロードバンドユーザーは,マーケットグループとしては「中期Early Adopter」「後期Early Adopter」「Early Majority」の3つのグループを指している。特にEarly Majorityは,全体の34%を占める次世代ブロードバンドの巨大市場のターゲットとなる。 現在の市場は,中期Early Adopterを取り込む段階である。この中期Early Adopterは,2002年1月〜2002年12月までの間にブロードバンドアクセス回線に加入するユーザーだが,彼らを分析し,志向を押さえることが今後のマーケットシェア拡大につながる。 その後に続く2003年1月〜3月までの3カ月間でマーケットに登場してくるのが後期Early Adopterである。タームは非常に短いが,その次のEarly Majorityに対する先行指標となる。 問題は,Early Majorityである。まだ姿の見えないユーザー層だが,潜在ターゲットとして巨大であり,このターゲットを制するものがブロードバンド市場を制するといっても過言ではない。 果たして,利用目的は時系列に応じて変化して行くものであろうか。前回と同様,DSE戦略マーケティング研究所が昨年末に実施したブロードバンド利用に関するユーザー調査をもとに,マーケットの発展段階別に利用目的の割合をまとめてみた。
ユーザー層1:Innovator(革新者),2:前期Early Adopter,3:中期Early Adopter,4:後期Early Adopter,5:Early Adopter合計,6:Early Majority Innovator(革新者)では,ネットワークゲームやホームページ閲覧,メール利用が多く,前期Early Adopterはホームページ閲覧やメール利用,そしてとくに明確な目的を持たないケースが多い。だが,今後のユーザーとなる中期Early Adopterは,映画視聴や音楽コンテンツが増える。また,後期Early Adopterになると,VoIP電話からビデオチャットまで幅広く利用されることになるだろう。 Early Adopter全体では,前期の母数が多いため,メールおよび無目的なユーザー層が目立つが,時間の経過とともにアプリケーションが豊富になり,ユーザーニーズも多様化するものと思われる。この傾向は,Early Majorityになると強くなる。 Early Majorityは,メール,ホームページ閲覧も多いが,映画視聴,音楽配信,コンテンツ制作など幅広い利用目的を持つようになる。 ブロードバンドユーザーは,時間とともに,多様なサービスを求めるようになる。また逆に言えば,将来,多様化・豊富化したサービスを提供されることを前提に,ユーザーはブロードバンドに加入することを望んでいるのである。 最大ターゲットであるEarly Majorityの特性を見極めるのには,こうしたEarly Adopterの細分化によって表れる差異も見逃せない。つまり,従来型のメールやWeb利用の延長ではなく,映画視聴,音楽配信等の“ブロードバンドならでは”のサービスで利用したいというユーザーが潜在市場として大きい。このユーザー層をターゲットとした需要の掘り起こし,ニーズの汲み取りが,ますます重要な意味を持つことだろう。
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