ニュース 2002年6月3日 09:30 PM 更新

ISDN、ついに減少傾向へ

ISDNがADSLにリプレースされつつある。NTT東西地域会社が発表した「平成13年度電気通信役務契約等状況報告」では、この傾向が数字によって裏付けられた

 ここ数年、「フレッツ・ISDN」の低価格化などで伸びてきたISDNだが、ADSLの登場によって需要が浸食されている。NTT東西地域会社が公表した「平成13年度電気通信役務契約等状況報告」では、大都市圏を中心にISDNが減少傾向にあることが明らかになった。

 全国のISDN契約者数は、「INSネット64」「INSネット64ライト」「INSネット1500」で計1115万件(2002年3月末時点)。このうち、事務用が664万件(前年度比4.3%増)、住宅用が454万件(同1.1%増)だ。前年までの2桁成長に比べると見劣りはするものの、全体としては依然増加傾向にある。


ISDNとADSLの加入者数推移グラフ

 しかし、住宅用のINSネット64契約者数を都道府県別にみると、埼玉県(-0.8%)、東京都(-8.3%)、神奈川県(-6.4%)の1都2県がマイナスだ。いずれも人口密度が高く、比較的早い時期からADSLが提供されているエリア。その結果、これ以外の地域が依然としてプラスであるにもかかわらず、東日本エリア全体では昨年度比0.1%減(約238万件)となった。

 NTT西日本エリアでも状況は同じ。住宅用のISDN契約者数は、大阪府(-4.5%)、京都府(-2.8%)、愛知県(-1.1%)、静岡県(-2.9%)、福井県(-0.0%)の2府3県で減少している。

 資料を作成したNTT東日本企画部では、これを「ADSLへの切り替えが進んだことが原因」と分析している。

「アナログ加入者電話も、この数年減少し続けているが、今年は当該エリアに限って増加に転じた。これは、ISDN契約者がADSLに移行するため、アナログ加入者回線に切り替えたことが原因と考えられる」(NTT東日本)。

 DSLの加入者数は、昨年度(2001年4月〜2002年3月末)1年間で約231万件増えている。数だけを見れば、まだ住宅用ISDNの半分程度だが、前年同期と比べると実に33.6倍に増えている(2001年3月末時点では7万655件)。今後数年のうちに、ISDNとADSLの加入者数推移グラフが交差するのは間違いないだろう。

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▼ ISDNは“いつ消える?”

関連リンク
▼ 平成13年度電気通信役務契約等状況報告について(NTT東日本)
▼ 平成13年度電気通信役務契約等状況報告について(NTT西日本)
▼ DSL普及状況公開ページ

[芹澤隆徳, ITmedia]

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