ニュース 2002年8月5日 02:37 AM 更新

TTNetのブロードバンドサイト「Powerbroad」、その方向性

コンシューマー向け、法人向け、コンテンツプロバイダ向け……。TTNetのブロードバンドポータルには、いくつかの方向性があるようだ

 FTTH網を武器にブロードバンド業界への進出を進め、今後の動向が注目される東京電力グループ。先日開催された「SGI Media Broadband Solution Seminar」では、東京通信ネットワーク(TTNet)技術部のブロードバンドグループマネージャー、大槻健一郎氏が同社の取り組みを紹介した。

 同社は今年3月まで、東京電力と共同でブロードバンドコンテンツ配信プラットフォーム実証実験を行っていた(記事参照)。大槻氏は冒頭、実験の結果に触れ、「ユーザーに視聴されたコンテンツは、70%が3分未満ものだった。また、ちょっと更新を怠るとすぐページビューが下がるなど、いい勉強になった」とコメントした。

Powerbroadの3つの方向性

 こうした実験を経て、TTNetは現在ブロードバンドポータルサイト「Powerbroad」をオープンしている(記事参照)。サイトでは300kbps−2Mbpsのブロードバンドコンテンツを、VGAサイズ(640×480ピクセル)で提供している。

 大槻氏はPowerbroadについて、3つの方向性を考えているようだ。

 1つは“対コンテンツプロバイダ向け”の事業。Powerbroadをブロードバンドコンテンツ配信のプラットフォームにして、TTNetは有料コンテンツの回収代行を行う。コンテンツ配信にあたっては、エンコード、Web作成支援などの付加サービスを提供するというものだ。

 もっとも大槻氏は、この事業を「リスクが大きい」と見ている。同氏がこのモデルよりも、「固定収入が期待できる」と考えているのが、次の“対法人向け”事業だ。

 対法人向け事業では、TTNetはブロードバンド関連業務の受託を行う。ブロードバンドに取り組む企業の裏方に徹して、コンテンツの運用、管理、配信業務を行うわけだ。これに加えて、Powerbroad会員DB(データベース)を活用したマーケティングサービスなども考えているという。

 もう1つ、別の路線もある。“対コンシューマー向け”事業だ。これはシンプルに、Powerbroadで有料、無料のコンテンツを提供していくというもの。コンテンツには、コミュニティサービスなども考えられるという。

 だが大槻氏はこの対コンシューマー向け事業を、あまりやりたくないようす。

 「できるなら、(コンテンツというより)プロモーションのレベルでやりたい。現在、いやいやながらコンテンツを買い付けたり、映画製作などにも取り組んでいるが……」。おそらく採算が合わないだろうとの見方のようだ。

避けられない“客集め”

 とはいえ、コンシューマー向け事業は「サイト活性化には、一部やらなくてはならない」(大槻氏)ことは確か。この点でも、強化を図る考えだ。

 「9月から10月にかけて、吉本興業と提携して『R-1ぐらんぷり2002』などを行う(Powerbroadのサイト参照)。こうしたイベントによって、大々的に客を集めていく」。現状、あまり行っていないエンドユーザー向けのサイト告知も、その頃には施策を考えるという。

 現在、Powerbroadには、実験的なものも合わせると約31タイトル、600のコンテンツがそろっている(7月22日現在)。大槻氏はこれを、今年度中に60コンテンツ、3000タイトルにまで充実させる方針だと話した。

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▼ Popwerbroad

[杉浦正武, ITmedia]

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